第12話 異世界転移1日目終了
出発は明日。
朝は霧が特に濃いということで朝食後、作戦会議をしてからの10時になった。
朝食ぐらいゆっくり食べたかったので出発時間が比較的ゆっくりな時間なのは助かった。
「明日の英気を養うためにもしっかり食べてくださいねー!」
厨房に人数分の出来立ての食事が既に用意されていたので俺はみんなに運ぶだけだけどねー。
夕食のメニューはパンとグリルチキン、コンソメスープとトマトのサラダだった。
「うわー!美味しそうー!」
「まさか温かい食事がとれるとはな!」
「本当だったら野営も無理な状態だったからな。」
「私に至っては死んでたかもしれないですよ。」
フランソワさんの自虐に3人はドッと笑った。
エゲツねぇギャグだけど笑いに変えられるの本当に強いな。
さすが冒険者。俺には無理。
「冷めないうちにどうぞ。」
「それではいただこうか。」
みんな思い思いに食事に手を付け始めた。
俺も食べようっと、いただきます。
本当は白ごはんが良かったんだけどこっちの人達はやっぱりパンだよなーとか思ってたらしっかりパンが出てきた。
俺一人の時はごはんでお願いしますよ、と。
あ、でもパンがフカフカでうまい。
もしかして焼き立てなのかな?
バターの香りがふんわり香って食欲が増す。
「お、おい。なんだこのパン、すごく柔らかいぞ。」
「ふわふわですわ。」
「ほんのり甘みと塩気があって美味しいー!!」
「ああ、これならいくらでも食べられるな!」
良かった、好評だ。
お風呂はとにかく《宿屋》のレベルは上げていない為品質やサービスはそのままなんだけどパン一つで十分喜んで貰えてるようだ。
『パンとスープはおかわりができます。』
「パンとスープはおかわりありますから言ってくださいね。」
「それはありがたい!」
「パンとスープだけで十分元がとれるよ!」
「この鳥肉うまいな!」
「まさかこれスパイス使われてます?ああ…高級な味がします…。」
みんな食事を楽しんでくれているようで何よりだな。
この鳥肉なんの鳥だろう?
まさか魔物…?いや気にしないようにしよう。
―――
「さてと。」
夕食が終わったのであとは何かあったら呼んでほしいとみんなに告げて俺はオーナールームへと戻ってきた。
今日はなんか色々あって疲れたな。
っていうか異世界転移1日目なのにイベント盛り沢山じゃない?
俺身体持つかなー?
『コウ様、明日《森の守護者》との合同作戦においてスキルの取得や準備をなされた方が良いかと思います。』
「そうだよね。俺の立ち回りはどうしたらいいと思う。」
『ポーションなどを用いた回復役、後衛がよろしいかと思われます。』
「怪我人が出たりした時ってことだよね。」
『コウ様は魔物討伐に向かわれるのははじめてですので無理に戦いに参加しようとはせず安全なところから戦闘のサポートをされるのがいいかと思われます。』
『何かあったら【地獄の沙汰も金次第】で金を消費してデカい攻撃してみろ。金貨5枚位あればマスターでも大魔法が撃てるぞ。』
「ええ!本当に!?」
異世界でチート級魔法ぶっ放して俺つぇえ!!ってやるのロマンだよなぁー!
『ああ、ただし1回こっきりの使い切り魔法な。』
「じゃあ魔法一発で金貨5枚!?」
『当たり前だろ?何の才能もスキルも無いやつに大魔法撃たせるんだからよ。魔力消費も無いし。ま、もう少し威力控えめで良ければ金貨1枚でもいいけどな。』
「俺自体が魔法をバンバン撃てるようになるスキルを会得することはできる?」
『もちろんできる!そうだなー、一番安い【火属性魔法マスター】で金貨10万枚だな!』
あ、無理です。
使い切り魔法で十分でございます。
いいんだ、今だって十分チートなスキル持ってるもん。
それも2個も!!
『金貨20枚のうち5枚は使わずに緊急用としておくのが良いかと思われます。』
「うん、そうだね。あ、《雑貨屋》のレベル上げておけば薬の種類とか増えるよね?」
『そうですね、あとは…』
ナビさんやゴルドとああでもないこうでもないとステータス画面とにらめっこ。
ああMPがない!お金ももっとあれば!
なんて色々工夫するのが不謹慎かもしれないけどすごく楽しい。
ある日突然異世界に飛ばされて、それが何でなのかとか現代に帰れるかどうなのかも全然わからないけれど。
せっかく来たんだ!
とりあえずやれることをとことんやってやろう!
『ん?現代に帰る方法ならあるぞ?』
……なんですと!?




