第10話 イレギュラーな要請
女性陣につまみ出された俺達は食事までにはまだ時間も早いので軽いつまみでティータイムにしていた。
厨房に行くと何故か温かいお茶とおやつなのかミックスナッツが皿に盛られていたのでそれを提供した。
もちろん宿泊者へのサービスだ。
「この緑茶というのは初めて飲んだがうまいな。」
「ああ、苦みの中にほんのりと甘みを感じる深い味わいだ。」
ポリポリとミックスナッツをつまみながら緑茶を飲む男性陣。
せっかくだから女性陣が風呂から上がるまで色々聞いてみようかな?
「あの、皆さんは何故この迷いの森に来たんですか?」
「どちらかと言うとそっくりそのままキミに問いたいけどまあいいや。俺達《森の守護者》は《グリーフォの町》の冒険者ギルドから迷いの森の調査依頼を受けてここまできたんだが、」
おお!冒険者ギルド!
きたきた、定番のやつですな!
「あの!カイルさん達はランクっていくつなんですか!」
「ん?Cランクだな。」
『Cランクの冒険者は貴重な戦力で、日本のサラリーマンに例えると年収1000万円級です。』
「わー!凄い!」
ゴルドがカイルさん達を帰すなって言った理由がわかったな。
年収1000万円級かー。
俺バイトもしたことないからどれくらい稼ぐの大変なのかわからないけどきっと苦労も多いんだろうなぁ。
「それで迷いの森の調査とのことだったんだが、以前に比べて魔物の種類も強さも桁違いになっていてね。遭遇率も増加している。」
「1年前は気を付けなくては行けない魔物などフォレストウルフぐらいだったんだがな。」
『フォレストウルフはEランク推奨の低級の魔物です。ただし群れとなるとDランク程度が望ましいでしょう。』
「その調査中にこの迷いの森では未確認だったポイズントードの群れに襲われてね。しかも変異種だったんだ。辛うじて倒したがフランソワが毒に冒されて…あとはキミも知ってる通りということさ。」
『ポイズントードは迷いの森より西に町を2つ経由した更に先にある《ドリュウ湿地帯》にいるCランクの魔物です。変異種はそれ以上の強さがあると思われますが報告例が極端に少ないため断定が出来ません。』
「そんなとんでもなく強い魔物と戦えるなんてカイルさん達はランク以上に強いんですね!」
「はは、いつもギリギリさ。少し背伸びして痛い目をみて、…たまたま生き残っているだけだよ。」
手放しの賛辞だったのだがカイルさんは自嘲気味に笑うだけだった。
「ところで俺達の話より何より問題はキミの方だよ、コウ君。」
ずいっと顔を近付けられた。
やめて!目鼻立ちのくっきりしたイケメンにそんなに近付かれたらドギマギしちゃうでしょ!!
睫毛なっが!!
「先程も言ったがこの異常になってしまった迷いの森に強力な結界を張り、店を構えるなんて一体何者なんだい?」
「魔術師か、はたまた錬金術師か。まさか神官ではないだろう?」
またその話に逆戻りか。
何者ねぇ。
普通の男子高校生(異世界転移しちゃいました☆)ってなんて言えばいいんだろうな。
魔術師でも錬金術師でもないし。
んー、薬師が一番近いのかね?
薬とか売ってるし。
『いいんじゃねぇか。』『悪くはないかと。』
「じゃあ薬師で。」
「じゃあってなんだよ、じゃあって。」
「だって俺何かの職業についてるわけでは無いんですよね。でも薬とか売ってるんでじゃあ薬師が一番近いのかなーって。」
まだ自分の店で売ってるものすらよくわかって無いんですけどねー。
「色々と凄いな、お前。」
なんで呆れながら言うんですかね、ジェイクさん?
「とりあえずキミが規格外なのは理解したよ。でもそうか、ふむ。」
近かった顔が離れたと思ったらなんかまたカイルさんが思案してるな。
これ以上俺の事に突っ込んだら駄目だぞ!
俺もよくわかってないんだからね!
「コウ君、キミを見込んで一つお願いがあるんだが。」
ん?お願い?
薬が欲しいとかかな?
まとめて買ってくれたらサービスとかしちゃうよ!
「俺達のパーティーに加入してくれないか?」




