表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
本能寺炎上事件簿 ~多恵子は風の中~  作者: へるきち


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
2/8

02.10人の容疑者

 私の調査班としての仕事は、もうすぐ終わる。

 飲みに行けば、愚痴しかなかった職場だが、終わるとなると寂しいものだな。

 家を出た時に目を焼く太陽にも、少しだけ寛容になれる。

 眩しい太陽を見る度に、こんな日に仕事なんてなあ、と思うのだが。

 空が青ければ青い程、恨めしくなる。

 私は、そういうケチな性分なのだ。

 だから、老害などと言われるのだろう。


 そして、今日も私は事件の起きた会議室へ向かう。


「容疑者は、これで全員か?」

「はい、本能寺は役員会議室なので、容疑者は役員の10人に限定されます」

 最後の難事件かと思ったが。

 これは、既に解決の糸口が掴めたんじゃないか?

 事件の現場で不謹慎だとは分かっちゃいるが、にやけそうになって止まらない。

 自販機で買った薄ら不味い安いだけの紙コップのコーヒーを煽って誤魔化す。

 昭和の頃なら、ここでタバコを取り出して火を付けるところだ。

 私は、幻想の紫煙の向こうに、容疑者達を見つめる。

「情シス部長の明智です」

「副社長の豊臣じゃ」

「専務の柴田」

「子会社の江戸ファイナンスの社長徳川だ」

「営業本部の丹羽です」

「海外事業部の滝川っす」

「戦略担当の黒田や」

「社長秘書の森でございます」

「茶道部の千やで」

「会長の足利だっちゃ」

「わしぁあ藤吉郎だぎゃあ」

 ……ちょっと待て、11人居る?

 1人多いだろ。

「役員は10人じゃないのか?」

「はあ、森さんは秘書なんで違うでしょ」

「徳川のおっさんも子会社の社長ですねえ」

「いや、藤吉郎って誰っすか?」

 ……こいつら、再教育が必要だな?

 そんな事は、集めた時に確認しろよ。

 私にとっては去り行く職場だが、先行きが不安になるな。


 しかし、私の不安はもっと別のところにある。


 こいつら、全員クロじゃねえか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ