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夢幻のアルデモース  作者: KANAR1024
第二章-狂気は夢に沈みゆく虚星なり-
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第二十六話-レオンの1日-

◼︎ある日、王都にて


「やっぱり…右腕がないと不便だな…」

宿の中、レオンが一人呟く


「早いうちに、義手を作ったほうがいいか…」


そう言って、レオンの1日が始まる


義手は、人体の構造を深く知る者、優秀な鍛治師、加工式技巧を組める者が揃うことによって初めて作ることができる


鍛治師はアルマ、技巧を組む者はレオン本人で良い

であれば人体をよく知る者とは———


「———リンダに頼むか…」


リンダは、現在は、様々な分野を教える教師ではあるが、それと同時に、人体構造学の頂点でもある


レオンは、アルマとリンダに手紙を送り、返事を待つ




そして数日後、


「いやぁ、この三人が揃うと、何だか懐かしいですね。」


「うーん、確かにレオンちゃんとアルマ君とは、個人では会うことはあったけど、三人揃うことはなかったなぁ。」


鍛冶屋の中で、三人の旧友が顔を合わせる


「ジェニアがここにいてくれたら、本当に良かったんだけどな…」

誰にも聞こえないような小さな声で、レオンが呟く


「それじゃあ、作りましょうか!」


早速、義手製作に取り掛かる

義手とは、技術の結晶である


だが、ここに居るのは、天才と呼ばれた者達である

小さな腕の一本を模した物を作るなど、造作のないことである



———「これで一先ずは完成、ですね。」


「えぇ、後は、レオンちゃんが実際に使ってみて、変なところがあったら直す…でいいかな?」


「わかった、とりあえず、今日一日使ってみればいいか?」

「うん、何か変なところがあったら、連絡してね。」


「それじゃあ、また会おうな。」

そう言ってレオンが店を出る


(スイーツでも、食べに行くとするか…)

そう思い、歩き始める


そうしていると、


———すみません!どなたか、私の息子を見ませんでしたか!?


母親と思われる女性が道端で通行人に問い掛けている


(迷子か…?)


「あたしは見てはいないが…探すの協力しようか?」

みかねたレオンが女性に声を掛ける


「ほっ本当ですか?本当に、ありがとうございますっ!

気がついたら、突然息子が居なくなってて、本当に、怖くて…」


「なるほどな…それで、子供の特徴は?」


「えっと…髪色は私と同じで、年齢は八歳…服は、茶色、です。」

「了解した、えっと、あんたの名前は?」


「私は、セリーナ・アルフレクトです。あ、あと、息子の名前はアローリー・アルフレクトです。」

「それじゃあ、セリーナさんは、そのまま目撃者を探してくれ、あたしはここら辺を探す。」

「はい…!どうか、宜しくお願いします…!」


レオンが都を駆ける


曲がりくねった道を辿り続け、探し続ける


だが、いない


(待て…?セリーナさんは、突然居なくなった、と言っていたな…ということは、誘拐の可能性も、あり得るか…)


今度は路地裏近くも合わせて探す


だがいない…


(くそ…一体何処に———)


辺りにはちらほらと人がいて、各々が話し合っている


だが、レオンは、()()()()()()()()


———お母さん…助けて…!


微かに聞こえたその声は、路地裏に入ろうとしている男が背負っている、木箱の中から聞こえてきた


「おい、あんた、待ちな。」


その男に声を掛ける


「はい?なんでしょうか?」

(とぼ)けるな!その箱の中身を見せて貰おうか!」


はぁ、と、男が溜息を吐く


「何なんだよあんた…この中には()()しか入ってねぇっていうのに…」

男がコートの内側に手を入れる


「こいつを売り払って一儲けする算段だったって…いうのになぁ!!!」


そう言って男がナイフを取り出し、レオンに斬りかかる

だが、

「———あ?」


目の前から突然、邪魔者が消えた男が、困惑の声を上げる


「あたしはな、あんたみたいなクズが大嫌いなんだよ。」


背後から放たれた拳は男の後頭部に当たり、頭を壁に激突させる


「使い心地に、異常はないみたいだな…」

しっかりと、義手の感想も忘れない


「おい、君、大丈夫か?」


箱の中に縛られ、閉じ込められていた子供を救い出す


「お母、さん?」


「いいや、あたしはお母さんじゃないが、お母さんが待っている所は知っている。連れてってやろう。」


「そう、なんだ。ありがとう…!お姉さん!」


「あぁ、だが、その前に…」


騎士団を呼び、男を連行してもらう


「くっそ…女め…邪魔しやがって!ノルマを達成しねぇと殺されちまうっていうのに…!」

男は何やらそう叫んでいたが、もうレオンにはどうでもいい


そうして———


「お母さん…!」

「アローリー!!!」


再会、である


「この子を誘拐しようとしていた男は、あたしが懲らしめた。今頃、騎士団の尋問に苦しんでいるだろうな。」

「あの、本当に、ありがとうございました!!!」


「いいや、気にすんな。あたしはただ、悲しんでほしくなかっただけだよ。」

そう言って、レオンは立ち去る


これが、レオンの、とある一日であった。




◻︎二日後の新聞の一部


先日、とある子供を誘拐しようとしていた男が騎士団に連行され、牢屋に囚われていたものの、突然苦しみ出し、そのまま死亡



原因は不明とされる。

レオンのちょっぴり忙しい1日でした!

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