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夢幻のアルデモース  作者: KANAR1024
第二章-狂気は夢に沈みゆく虚星なり-
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第二十五話-純白の異獣-

「グルゥァァァァァァァ!!!」


リヒトに四体のウルスオルセットが襲いかかる


「ちょっと!こっちの負担が大きくないですか…!?」


「いや〜たぶん、そうでもないと———」


———バキャァン!


「っローレルさん!」


純白のウルスオルセットにローレルが殴り飛ばされ、森の奥へと消えてゆく


「私は大丈夫だからそっちに集中して…!」

という声が小さく聞こえる


「もう…信じますからね?」


リヒトがウルスオルセットの方へナイフを構える


「よし…やるか…」

しっかりと気合を入れる


戦闘、開始———



——————


———ズダァァァン!!!!


「いっっっった〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜い!!!!!」

ローレルが木に激突する


「もう…あの(純白の)(ウルスオルセット)…絶対に許さないんだからね!!!」


そう言ってローレルが拳に力を込める


アイリス・ローレルは、尋常じゃないほど、頑丈である

先のミラーとの戦闘時には、他の地点の防衛を行なっていたため、合流することはできなかった


それと、彼女にはもう一つ、異常な点がある

それは、過剰な程の———()である


その力は、現状ではフォートを超えてはいないものの、それはとても強大な力であった


「よい…しょっ!」


そこら辺に生えていた木を()()()()()


「グルルルルルル…?」


そこに投げ飛ばしたローレルを食おうとしていた純白のウルスオルセットが現れた


常人なら確実に死ぬ攻撃を受けてもピンピンしているローレルを見て、混乱する


そこに更に、木を一本丸ごと持っているのだから、混乱して当然だろう


「えいっ!」


急接近したローレルが純白のウルスオルセットの横っ面に()で殴りつける


「グォァ…!?」


予想外の威力に純白のウルスオルセットがたじろぐ


「まだまだいくよ〜!」


何回も、何回もウルスオルセットを木で殴打する


———バキッ


大量の殴打の衝撃に耐えきれなかった木が折れる


「グルアァァ!!」

「うわっとぉ〜!」


木が折れた隙を狙いローレルを爪で引き裂こうとするが、難なく避けられる


「よっと〜!」


そして、またもや、木が引き抜かれ、ローレルの武器となる



この流れは、ローレルが諦めるか、相手が死ぬかしないと、終わらない


さて、純白のウルスオルセットは、どれほど耐えることができるのだろうか



——————


(ウルスオルセットは、爪と牙に気をつける…!)

レオンに教えてもらったことを思い出しながら、少しずつウルスオルセット達にダメージを与えてゆく

だが、ウルスオルセットは倒れない



それに、技巧を未だに使っていないリヒトでは、敵わない部分もあった


「ッ!」


頬に鋭い爪が擦り、血が流れる


(流石に、技巧は使ったほうが———あ、)


そこでリヒトは、レオンが言っていたことを思い出す


◻︎とある過去


『ん?強さの秘訣?』


『はい…どうしても知りたくて、』


『そう、だなぁ…』

レオンが少し考えた後、


『まぁ、色々ありはするが、逆境、だな。』


『逆境…ですか?』


『あぁ。人は、逆境に立たされた時に、凄まじい成長を遂げることがある。

それは、強くなることに関して言えば、とても重要なことだと言える。』


『なる、ほど…ありがとうございます!』

感謝を伝え、修行に戻ろうとする


『だから、』

『…?師匠?』


『今日は逆境に立つ練習をしてみるぞ!』


『え…』


この後、かなりリヒトはボコボコにされた。





だがとにかく、リヒトはレオンの言葉を思い出し、反芻する


(もう少し…もう少しだけ、頑張りますよ…!師匠!)


リヒトは今一度ウルスオルセットを観察し、分析をする


(鋭い爪や、胴体は、硬かったり、脂肪に守られてたりして、ダメージが通りにくい…なら、狙うところはただ一つ…!)


今一度、ナイフを滑り込ませる


まず、ウルスオルセットの手を切り裂き、爪を無効化する


次に、両腕を払い除け、牙に噛みつかれそうになった所をナイフで弾き返す


最後に、首に、ナイフを送り込む


駆除、完了


一体目の駆除が完了する


残り、三体


(まぁ、修行には、ちょうどいいかな…!)


同じ手順で、もう一体を処理する

先ほどよりも、速く、咆哮を上げる暇もないほどに、処理を終える


だが、最後の二体は、流石に学んだようだ


リヒトが狙ってくるであろう場所を、庇うように動く


だが、それでもリヒトは止まらない


手順を変更するだけである


足を切り、目を切り、腕を切り、首を切る


ただそれだけのこと


それで三体目も処理が終わった


(これで最後…!)


「———いい加減に…して!!!」


「えっ?」


森の方から凄まじい勢いで()()()()()()()純白のウルスオルセットが、リヒトの目の前のウルスオルセットを巻き込みながら、崖下へと落ちてゆく


「えぇ…」

リヒトが困惑していると、


「新人君!大丈夫だった?」


服は所々傷ついているも、本人は何処にも一切傷がないように見えるローレルに、

(どれだけ頑丈なんですか…)

と、思いつつも、


「えぇ、何とか、」

そう返事をする


「そう、それならよかった!

それにしても…結構大変なことになっちゃったね〜…

ごめんね、こんな依頼を受けてきちゃって。」


「いえ、大変なことには、慣れてますから。」

ミラーや、エクスロ湿原の出来事が思い返される


「そうなんだ…あ、そうだ!ちゃんとまとめて提出しなきゃいけないんだった!」


そう言ってローレルが紙を探す…ない


「あ…さっきの戦いで、無くしちゃったみたい…」


リヒトが少しの溜息を吐く


「まぁ、危険なことは分かりましたし、いいんじゃないですか?」


「うーん…まぁ、そうだね………それじゃあ、気を取り直して!帰ろうか!」


そう言って森へと歩いていく


「あ、ローレルさん、前———」



また木にぶつかった





——————

◼︎崖下にて


「グルゥゥゥ…」

深い傷を負った純白のウルスオルセットが、()()()()()を貪り、回復を試みる


「グルゥゥゥァァ!!!」

その咆哮は、

あの野郎どもは絶対に許さない。

という意思を感じさせるものであった


いつか、再登場するかもね

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