第二十四話-ある日、森の中-
「ちゃんとついて来れてる?新人君!」
「はい!」
二人の人間が森を駆ける
現在リヒトは、傭兵団の新人研修を受けていた
新人研修といっても、傭兵団の先輩と一緒に依頼を受けるだけなのだが、
そしてこれが今回の依頼書である
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難易度:メソンクラス〜
依頼名:森林調査
依頼者:ハイレピア学院教師一同
依頼内容:南にあるエルイス大森林の未開拓区域を授業に使いたいため、危険物や、危険生物がいないかなどを、調査し文書にまとめ、学院に提出
報酬:50000アルス
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そして今、リヒトと共に森林調査に来ているのは、アイリス・ローレル、今回の新人研修の担当者である
現在リヒト達は、未開拓区域に向かっている途中であった
「結構動けるんだね…!それじゃあ、もっと飛ばしていくよー!」
更にスピードが上がる
「ちょ、ちゃんと前を見てないと危ないですよ———」
———ゴンッ
「あ。」
ローレルが木の枝に激突する
「痛った〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
痛みに悶える声が森中に響く
「ちょ、大丈夫ですか!?」
傷を確認しようとするも、見当たらない
「大丈夫大丈夫!私、とっても頑丈だから!」
頑丈らしい
「そ、そうですか…」
気を取り直し、再び森を進んでゆく
「ここからが未開拓区域だね!張り切っていこう!」
そう言ってローレルが地図を取り出す
「あれ?未開拓区域なのに、地図があるんですか?」
「うーん、えっとね、大昔には人が住んでたらしいんだけど、何か事件があって、今は住めなくなっちゃったらしいよ!それで、これは昔の地図だね!」
「なるほど…」
「それじゃあ行こうか!」
薄暗い森の中を進む
周りからは小動物や、小鳥の気配がする
見る限り、危険生物の気配はない
「えっとねー地図には、この先に町があった、って書いてあるね!まずはそこに行ってみようか!」
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森を進む、進む
進んでいると
「あ、そうだ!新人君!」
「はい?」
「新人君は、なんで傭兵団に入ったの?」
唐突な質問に、リヒトは少し黙り、
「そうですね…強くなるため、ですかね。」
「へぇ〜そうなんだ!」
「ローレル先輩は、なんで入ったんですか?」
「私?私はね、いっぱい、人が見たかったの。」
「人、ですか?」
「そう!人には、人それぞれの物語があるでしょ?私は、それを見たり、知ったりするのが好きなんだ!」
「そうなんですね…あ、だから新人研修担当なんですか?」
「そう——痛っ!」
また木にぶつかる
「うぅ〜…今日はよくぶつかっちゃうなぁ〜…」
「しっかりしてくださいよ…」
「も〜うるさいな〜…あ、川だ!これを越えたら、町のすぐ近くだよ!」
そうして川を越える
森の向こうは、ひらけているのか、明るい
そうして森を抜け———「新人君!危ないっ!」
突然ローレルに制止される
すぐ目の前には、巨大な崖が広がっていた
崖下には滝が流れ、湖が広がり、自然で満たされている
だが、崖の下にも向こう側にも、町の跡は見当たらない
「危なかったね〜…でも、おかしいな〜こんな崖、地図には書いてなかったのに…」
「恐らく、何か地形が大きく動くほどの何かがあったんでしょう…」
その時
「グルルルルルルルルル…」
「!?」
獣の唸り声が聞こえる
獣とは、二種類存在する
ただ単に凶暴な通常の生物の、獣
そして、何らかの原因で突然変異を起こした特殊な生物種族の総称…異獣
そして———唸り声の主は、どう見ても後者であった
体表は毛で覆われ、手には鋭い爪が輝いている
その特徴は、毎年、複数の被害が報告されている、ウルスオルセットという危険種族に違いない
だが、
「毛が白い…!?」
通常、ウルスオルセットは、黒い毛を纏っている
しかし、このウルスオルセットの体毛は、純白であり、煌めきを放つほどであった
「しかも、なんかでっかいね〜…2倍ぐらいかな〜?」
「グォァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!」
純白のウルスオルセットが凄まじい咆哮を上げる
「どう、しますか?」
「う〜ん…倒すしかないんじゃないかな〜?逃げさせてもくれなさそうだし…新人君って、結構戦える方?」
「そこそこ、ですかね。」
「それじゃあ、私は白い方を相手するから、新人君は他のを頼めるかな?」
「え?」
周囲を見渡すと、通常のウルスオルセットが、何体かこちらをじっと見ていた
「頑張って…生きて帰ろうね!」
「はいっ!!」
傭兵団最初の仕事が、始まる———!!
ウルスオルセットは、そこそこでかい熊みたいな奴です




