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夢幻のアルデモース  作者: KANAR1024
第二章-狂気は夢に沈みゆく虚星なり-
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第二十二話-甘いスイーツ-

甘い香りが辺りを漂う


それに誘われた人々が大勢群がる


———新発売のスイーツの販売イベント開始ですー!

店員の声を聞いた人々が一斉に突撃する


これは、一種の戦争である


始まりは、リヒトの「せっかくですし、スイーツでも食べに行きませんか?」という言葉だった———




———「最近は何かと忙しかったからな…しっかりとしたスイーツを食べるのは久しぶりだ。」


王都の道を二人は歩く

リヒトとレオンである


「改めて見てみると…色んなお店がありますね…」

リヒトが辺りを見渡しながら言う


周りには、スイーツ店はもちろん、食品を扱っている店や、武器屋、防具屋、さらに占い屋まであった


「さて…どのお店のスイーツを買いましょうかね…?」


「まぁ、ある程度人気のやつが良いだろうな。」


どの店に入るかを二人はしっかりと吟味をする

これでもないあれでもないと吟味を続けながら道を進んでゆく


「あれ、師匠、向こうにすごい人混みが見えますよ?」

道の向こうにとてつもない数の人が群がっている


「まぁ、ちょっと行ってみるか。」


どうやら、人々は王都の中でも人気のスイーツ店に群がっていたらしい


「そんなに…人気なのか…?」

レオンが呟く


「いや、今日は特別さ。」

近くにいた男性が話しかけてくる


「今日は新発売のスイーツがあるんだよ。

だからこんなに人がいる。」


「なるほどな…」


「だが、あそこの店長は趣味が特殊でな?

なんでも、勝負を見るのが好きらしくて、何かと勝負で決めようとするんだよ」

「この前はボードゲームだったかな…」


「それで?勝ったらどうなるんだ?」


「あぁ、一番最初に新発売のスイーツを食えるし、無料で貰えるんだよ。」


「ほう…それは興味深いな…」

レオンの目が鋭くなる


「あ、そろそろ店が開くぞ。」


店員が店を開く準備をする


「まぁ、恐らくあんたと俺は戦うことになるだろうな。」

「あぁ、だが、お互い頑張ろうな。」


「あの…やり過ぎないでくださいね?」

後ろで話を聞いていたリヒトがレオンに言う


そして

———新発売のスイーツイベント、開始です!


店員の合図で、大勢の人々が店に突撃をする


これがスイーツ争奪戦の始まりの合図であった


——————

「本日のイベントは、腕相撲です!」


「あ…」

レオンは、右腕を失っている

「あの…師匠…」


「大丈夫だ、リヒト」

「左腕がある」

レオンの目はメラメラと燃えるようであった


「ルール説明です!

皆さんには個人個人で腕相撲をしてもらいます。

そして、勝てば1点獲得でき、負けると0点からです

さらに、勝負は同点の人としか、できません。


そして—最初に10点を集めた人に新発売スイーツを最初に食べる権利が与えられます。

ルールは以上です!

皆さん準備はいいでしょうか。

それでは皆さん、ご武運を。」



各々が各自対戦相手を探し、勝負をしてゆく

リヒトとレオンは順調に勝ち進んでいた


だが———


「あれ?リヒト君じゃないか。」


「え?イスタールさん?」


思わぬ遭遇に驚く


「えっと、何でここにいるんですか?」


「それはね、俺もここのスイーツが大好きだからさ。」


急にイスタールが真剣な顔をする

「さぁ、勝負をしようかリヒト君。」


「お、お手柔らかに頼みます…」


———よーい、始め!


腕と腕が組み合い、力がせめぎ合う


(この人———本気だ!)


しばらく力は拮抗するも、リヒトの体力が持たない

そして、



———勝負あり!勝者、リオレ・イスタール!


リヒトは勝負半ばで負けてしまった


どうやら、今、師匠は9点を取っているらしい

あと少しだ

そして、今、イスタールさんが8点同士の勝負をしているらしい


恐らく、イスタールさんと師匠の一騎打ちになるだろうと、リヒトはそう思っていた


だが———


「勝負あり!」



イスタールは、負けた


そして、勝利した男、それは、怪力の男———


「勝者、フォート・アグリンド!」


…何故いるんだろうか


———「レオンさん、これで最終決戦です。」


双方見つめ合う


「フォート…あたしには、右腕がないんだ、左腕でやってくれるか?」


「えぇ、わかりました。」


腕を組み、拳を握り合う


スイーツ争奪戦の最終決戦


空気が張り詰め、緊張感が増す

あたりの観客達も、静寂を保たんとする


「フォート。」

レオンが話す

「すまないな、この勝負、あたしがもらう。」


———それでは勝負開始!!


フォートが自慢の怪力を力一杯込め、レオンの腕を薙ぎ倒さんとする


前に


———ビタァン!!!


「え?」


フォートの腕が地面についた


「勝負あり!優勝者!レオン・ヘルツ!」


拍手と称賛の声が上がる

そしてレオンは新発売のスイーツに心を躍らせる


「…いや、ちょっと、レオンさん。」

「ん?どうした、フォート。」

「絶対に、技巧使ってましたよね?」


レオンは笑みを浮かべる


「別に、ルールには無かったぞ。」


フォートの強い溜息が聞こえる


そしてレオンは、スイーツをじっくり堪能したのであった。






「………本気になりすぎじゃないですか?」

そしてついでにリヒトは、人という物は欲望のために簡単に狂う、という事を学ばされたのであった。

ちなみにこのスイーツは

チニタベリーをふんだんに乗せた、美味しそうなケーキです


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