第二十話-終結、そしてその先へ-
———身体中が、痛い
段々と意識が覚醒する
「ここ、は?」
ベッドに寝た状態の体をなんとか起こし、辺りを見渡す
部屋の中には複数のベッドが並んでいて、何人かが寝ている
ここは病院のようだ
扉が開かれ、医者が入ってくる
「おや、目を覚ましたようだね。」
———医者の話によると、僕は技巧を酷使したせいで、全治1ヶ月の大怪我らしい
だが、この医者がいなかったら、さらに酷いことになっていたらしいので、1ヶ月は短い方、と思うことにした。
「ところで、戦いはどうなったんですか?」
「それは、彼女に聞いた方が早いだろうね、」
女性が部屋に入ってくる
「おぉ、起きたか、リヒト。」
「師匠…」
それは右腕を無くしたレオンであった
「その、腕って…」
「まぁ、無くなったものはしょうがねぇ、諦めるしかないだろうな。」
「そう、ですか…」
二人の間に暗い空気が流れる
「ところで…戦いはどうなったんですか?」
「あぁ、皆んなが頑張ってくれたおかげで、死者数はゼロだったらしい。
だが、流石に重傷者は多かったらしい。
それに、連れ去られた村の人達も、見つかっていない。」
レオンが少し黙る
「だがまぁ、あまり気にするな。
今は休んだほうがいい。」
そう言ってレオンが部屋から出ていく
リヒトの心の中にはレオンの腕と、いなくなった村の人たちのことだけが残っていた———
◼︎数週間後
「それでは、最後の会議を始めましょう。」
少し回復し、退院の許可が出たリヒトは、ハイレピア学院での、最後の会議に来ていた
「それではまず、最終的な被害報告をお願いします。」
フォートが立ち上がる
「はい。今回の王都への襲撃での死者数は一人もいませんが、先日の村への襲撃で被害に遭った一万四千人は未だに見つかっていません。また、ミラーの元になった人間もクレープスになった原因も、見当はついていなく、この事件を引き起こした理由も判明していません。」
「なるほど…これからも、調査が必要なようですね…」
そこで、イスタールが挙手をする
「調査については、私たち傭兵団が請け負いましょう。」
「それはありがたいのですが…宜しいのですか?」
「あぁ、自分の国を護りたいと思うのは当然のことだろう?」
「そうですか…本当に、ありがとうございます。」
そうして会議は続く
———そして
「皆さんのおかげで、被害は最小限に収めることができました。
ですが、今後、これより大きな事件が引き起こされる可能性も、あります。
我々は、この国に住むものとして、護らねばなりません。
どうか、どうか皆さん、
貴方達が、この国の貴重な戦力であり、この国の盾でもあることを、忘れないでいてください…
それでは、本日の会議を終了します。」
ライルがそう言って会議の終了を宣言する
会議室の窓の外には、青々と澄み切った空が見えた———
第一章、完




