第十七話-鏡の影-
◻︎南門
戦闘が、始まる
ミラーが構えるよりも早く、レオンが//ミラーに近づく//動きを短縮し、そのまま斬りつける。
だがしかし、それよりも早く現れた影鏡に呑まれ、防がれる。
そのことに素早く反応したレオンが鏡の出現していない部位に向けて一閃
が、再び防がれる
そこに、背後からフォートが近寄り、馬鹿力で一撃をくらわせ———ない
影鏡に呑み込まれたレオンとフォートの攻撃が互いに返ってくる。
すぐに後ろに避け、体制を整える
二人が体制を整えている合間に、影鏡の中から取り出した剣を取り出したミラーが、構える
「さぁ、行きますよ。」
———戦場に三本の剣が舞う
決意の剣と勇気の剣 そして——狂気の剣
相対する剣が、向かい合う
互いに打ち合い、斬り合い、殺し合う
正義が、狂気を破壊しようと立ち向かう
狂気が、狂気を遂行しようと死を拒む
それぞれの想いが錯交し、最期の時を待つ———
レオンが斬る…斬る…斬る…次々と目の前に出現し続ける鏡を片っ端から破壊する
出現した側から破壊される鏡からは、何も出てこない、その場に欠片を残すのみである
それは少し…ほんの少しではあるが、ミラーを消耗させていた
その中に織り交ぜられるフォートからの重い一撃、
まともに受ければ骨折…いや、切断は免れないであろう
重なる消耗と、重い一撃
「厄介…ですねぇ。」と、ミラーが呟く
ミラーに大きな傷は付けられてはいないものの、レオンとフォートはミラーを消耗させることができているという事実を、レオンとフォートは理解している
(このままうまくいけば…だが、ミラーが複数存在すると言う情報が気掛かりだな…)
フォートがそう考えた時、ミラーが剣を再び構え、攻撃態勢に入る
だが、その剣が向く方向は…
『——パリィン!!!』
ミラーが自らの影鏡に向かって振り下ろした剣が割れる
「——ッ!」
ミレーの行動の意図に気付いた二人が空襲に備える
その剣は、ミラーがとある人物から大量に仕入れた物
それは、割れやすく、なおかつ鋭い…まるで黒曜石のような性質を持っている
その破片は、影鏡の中に吸い込まれるように呑まれ…
リヒトとフォートの頭上から降り注がれる剣の破片が、二人を切り裂く
刃の雨が止んだ時、二人の体からポトポトと血が滴り落ちていた
(痛ぇ…だが、技巧は刻まれてはいないようだな…なら、まだ戦える)
目の前には、すでに技巧によって自己回復を終えているフォートが見える——これなら…勝てる
レオンは、そう、思った。否、思ってしまった。
「遅いんですよ…あなた達は。」
「———ぐふっ!」
突然フォートの目の前に現れたミラーが、フォートを貫く
剣に腹を貫かれたフォートが苦悶の表情を見せる
「くっ…そ!」
レオンがミラーに向かって駆け出し、斬りつけ———
「だから…遅いんですって。」
レオンの目の前に影鏡が出現する
それをとっさに破壊し…
「後ろですよ、」
フェイントをかけられたレオンは振り向けず、背後から剣を———
『ガキィン!』
金属音が奏でられる
「は?」
ミラーの口から疑念の声が出る
そこには、剣で刺されたまま攻撃を防ぐフォートがいた
「ふっ、俺を甘く見るなよ。」
「鬱陶しいですね…!」
再びミラーがフォートに攻撃を仕掛ける
その隙にレオンは技巧を発動させる
レオンは動きを短縮し、ミラーを…
———肉が切れ、骨が断たれる音が聞こえた
「あなたの技巧は、あまり細かな制御ができないのでしょう?」
声が、聞こえる
カラン、と何かが落ちる音が聞こえる
「だから、そうなるんですよ。」
ミラーの瞳には、右腕を無くしたレオンが映っていた
———そして現在
「どうしたのですか?レオンさん、まだ戦いは終わっていませんよ?」
血が溢れる
「うるさい…」
「ッ———レオンさん!大丈夫ですk——「鬱陶しいんですよ。あなたは、」」
フォートに刺さった剣が、体から抜かれ、大量出血を起こす
「さてと…」
ミラーがレオンに近づく
「そろそろ死んでもらいましょうか。」
ミラーがレオンの刀を拾い上げる
「それでは、さようなら。」
剣が、振り下ろされ———
刹那、その空間に静かに一閃が走る
それは、ただ一人に向けた殺意を乗せた一閃
彼は、フォートやレオンと比べると、未熟である
だが、彼の技巧に関して言えば、その効果は強力なものと言える
そしてそのデメリットである、過剰な動きによる痛みと損傷は———
レオンの右腕が切断され、激昂し、苦痛という感覚を失った彼の前では、枷となることはなかった———




