第十六話-断罪-
◼︎西門
「あぁ面倒くさい…くそ…僕にこんなことをやらせるなんて…!」
クレープスがぶつぶつと呟いている
『パシッ!』
クレープスに向けられて放たれた矢がいとも簡単に掴まれ、投げ捨てられる
「おい…そこのお前…今、僕に矢を放ったよなぁ…それって罪だよなぁ?」
クレープスの視線は矢を放った教員に向けられる
「えっ」
「死ねぇっ!」
クレープスが飛びかかる…
「待ちなさい…そこのクレープス…」
突然の声にクレープスは動きを止める
「あ?」
視線の先には、ライル・エンシールが立っていた
「ここからは…私が相手をしましょう。」
学長による授業…もとい蹂躙が始まる
「なぁ…今僕の邪魔をしたよなぁ…?それって罪だよなぁ!!!」
ライルは観察を続ける
(やたらと罪という言葉を使うな…技巧に罪が関係しているのか?)
「まぁ落ち着け…ところで、君の名前はなんていうんだい?」
クレープスの動きが止まる
「あぁ…?僕の名前はギルt」
突如目の前に閃光が走り…
『ドガァン!!!』
小規模な爆発が生じる
「あぁ、くらってしまったようだね…」
「はぁ?ふざけんなよお前!僕に傷をつけやがって…お前は有罪だよ!!!」
そうしてクレープスが激昂しながら突進してくる
(ふむ…あまり傷を負っていないな…しかも、爆発を受ける前よりも、より元気になっていそうだ。)
ライルは、まだ分析を続ける
「死ねぇっ!!!」
目の前までクレープスは迫っている
「あ、そうそう」
ライルが思い出したかのようにクレープスに言う
「そこにも爆弾を仕掛けているんだよ。」
「ッ!」
咄嗟にクレープスが避ける…が、
「あぁすまん、嘘だよ。」
「は?」
困惑するクレープスにライルが丸い石を投げつける
またもや閃光が走る
「ぐがぁっ!!」
ライルは、おそらくまだ起き上がってくるだろうクレープスを警戒する
「…くっそ…お前は絶対に死罪だ…!殺してやる…!」
起き上がったクレープスに、そこまで目立った傷はない
(ふむ…なるほどな…さらに硬くなるか…)
今までの事象、言動により、ライルは一つの結論を導き出す
(罪を犯されれた時、自らに強化を施す技巧かな…?
少し厄介ではあるが、私の敵ではないな。)
「さぁ、かかって来なさい。」
「言われなくても殺してやるよ…!」
ライル目掛けて、クレープスが迫り来る
右拳、左拳、足蹴り、頭突き、その全てをライルはいとも簡単にいなす
ライル・エンシールの強さの主は、高い演算能力と、分析力にある
先の攻防で、ライルはクレープスの攻撃を全て見切っている
「死ねぇっ!!!」
鋭い一撃が来る
一撃に向けてライルがポケットの中から取り出した小石を投げる
『ボンッ!』
「は?」
小石が爆ぜ、攻撃の軌道を逸らされる
続けざまに大量の小石がクレープスの身体の下に…
「ボボボンッ!!!」
クレープスが爆風で空中に浮く
「効かねぇよ!!!お前は有罪だァァァァァァァ!!!」
「いいや?無罪だよ。」
クレープスの元に丸い石が投げられる
「だから効かねぇって…?」
石から閃光が漏れ出る
ライルの技巧…ピボーテ・ピュロボルスとは、自らの応力を爆発物に変える
しかし、本来は、そこまで爆発力のあるものではない
が、ライルは、その爆発力を、無機物に応力を貯めることで補っていた
その石は、ライルが2日前から応力を貯め続けていた
「君は、私を殺そうとしたんだ…だから、有罪だよ。」
閃光が爆発する
音として聞こえないほどの爆音が辺りを震わせる
クレープスはバラバラ…いや、消滅した。
「いやぁ…久しぶりに動いたから疲れたね…」
西門は、ライルにより無傷のまま防衛を成功させたのであった。
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血が、溢れ出る
風が吹き荒れ、空は曇る
「どうしたのですか?レオンさん、まだ戦いは終わっていませんよ?」
ミラーが語りかける
「…うるさい…」
レオンの右腕…切断された右腕から流れた血が、レオンに死期を感じさせていた。
マジカヨ




