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必殺のグロース—最弱からの急成長―  作者: ヒラメキカガヤ
第五章 それは突如、始まった
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Lv43 ぴーんぽーんぱーんぽーん

「ヨウジぃ!」


「分かってますよ」


さすがと言うべきか、俺が生徒会長として隣に置きたい男・飽田ヨウジは、荒くれ集団随一の頭脳としての働きを見せた。


突然の爆音を口火に、校内に現れた大量の魔物。その中でも虎型の魔物『Lv40』を確実に仕留めるべく、飽田は轟の身体に的確な『エンハンス』を放つ。


強化スキルで最も困難とされる『他者への身体強化』。自身とは異なる身体能力、体質、体躯、身体の動かし方。


一寸でも狂えば、強化をかけられた方は体勢を崩し、あるいは本来の実力以下のパフォーマンスしか発揮できなくなってしまう。


それゆえに、強化スキルを持つ者が他者に対して強化を加えるのは、他者のスキルや武器など、間接的な部分のみ。


しかし、この男は躊躇うことを知らず、自分のリーダー本体へ最大限の強化を加えた。


「へへっ、これだよこれ!! 俺のこと分かってんじゃねえか! 分かりすぎて気持ちわりーけどよぉ!」


「筋肉バカは扱いが楽なだけですよ」


「んあ? なんか言ったか?」


「いえなにも」


自分より遥かに高レベルの魔物を前にしてもこの胆力。仲間を信用しているのか、それとも、生来の度胸による余裕か。


そして、


「お前は指咥えて見てろよな、オボロ」


轟のスキルは、飽田の強化を邪魔するはず。


しかしこの男もまた、才能。


「歯ぁ食いしばれよ迷子の虎ちゃん! あんまり時間ねえから、ワンパンで終わらすぜ」


『Lv40』に見合う速度で駆け寄る虎の頭を、


「オラァ」


極限まで強化された拳が貫いた。


「ふぅあー、気持ちいいぜ!」


天を仰ぎ、蒼い粒子と化した虎を味わい尽くした。



△△△



「ぴーんぽーんぱーんぽーん」


どーやら虎ちゃんがやーられちゃったみたいねー。まーた『レオ』のやつがガォーガォーうーるさいんだろーなー。


まーいーや。


今はー、ほーそーにしゅーちゅーしないと。チェーンのはーげもガーミガーミしーちゃうからねー。


「がっこーのみーなさーん。あーたしたちがウワサの『タナト教団』でーす」


こーゆーのって、あーたしの仕事じゃなーいよねー。


「A地区ちゅーがくのせーとさんに用事があって来たしょぞん的なー。たんとーちょくにゅーに言うとー」


えーと、ふたつだよねー。


「ひーとつはー、そっちのふじーかなとー、だっけー? れべる1の男の子の身柄をあーたしたちに明け渡すことー」


そーそー、これと、


「そっちのお月様ー、それかお日様の女の子のうちのどっちかをこっちに寄越すことー」


よーけんはこれでよかったわねー。


あーとは、こっちが本題〜。


「今言ったこと、1つでも守れなかったらー」


ああ、ニヤニヤしちゃうー。


「せーともせんせも、あーたしたちがみーんな、ぶっ殺しちゃいまーす♡」


喋りながら、身体中がほてってきちゃーう。


むーかし、いーっつもあーたしにイジワルしてきたあーいつらを、あーたしの粉で皆殺ししたときみたいにー。


「たのしーたのしー、文化祭の幕開けだよー」


ほーそーを切った。


もうちょーっと喋りたかったけど、チェーンに怒られちゃいそーだからやーめた。


『キシャシャ、こちらシャドウ。バカなお前にしては上出来なスピーチだったぜ! キシャシャ!』


「バーカはおーたがい様でしょー」


ぷくー、っと膨らませたほっぺも、みーせる相手がいないとむなしーなー。


『キシャシャ、こっちも任務完了だ。風の女と妖狐、その他100名。体育館に『影檻(シャドウケージ)』発動済み。『レオ』の野郎と『チェーン』の野郎もこっちに配置済み』


「りょー」


無線からもー1人のおーとこの声。


『結構。反抗した生徒をチェーンと共に数名捕縛。拙者はコンフュと合流する』


「まーた仮面のおにーさんに刺されちゃったりしてー」


『冗談でも許しませんよ? もうあのような思いは勘弁願いたい』


ウェイトの泣き言にニヤニヤしちゃいながらー、窓の外のみどり頭と目があった。

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