↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
必殺のグロース—最弱からの急成長―  作者: ヒラメキカガヤ
最終章 必殺のグロース
PR
125/128

Lv125 認めたくねえけど

E地区。


第一人類史では『東京』と呼ばれた大都市は、今現在も大都市と呼ばれている。


抗魔大祭の日から半壊していた大都市が、さらに壊滅する。


目の前の、知性を持った化け物のせいで。


「コレガ…イヤナンダロウ?」


『真紅』の顔が醜く歪んでいく。笑う感情までもを得てしまった。


スキルやエナジーが単純に大きくなった方が、まだマシだった。


「くそ…!」


さっきの即興の着地技の反動で、身体がうまく動かない。


その間にこいつは、


「ヒトリ…マタヒトリ」


「ぐああああっ!!!」


剣士隊や騎士隊、銃撃隊の人間たちを1人、また一人と殺していく。


「カナト…オマエノセイダ…オマエガ…オレヲ…ソダテタカラ…トキハナッタカラ…クク…」


俺のせいだ。


「『タイヨウ』モ…『ツキ』モ…オマエナンカ…キライダ…アイツラハ…オマエヲラクニ…シナセタクナイ…ダケダ」


三日月のように目を細めて、現実を突き付けてくる。


胸が締め付けられる錯覚。


ルナ。


テリヒメ。


…。


「違う…」


「?」


「違うに決まってんだろ!!!」


肺が潰れそうで、両足もがくがくと、今すぐにでも倒れたままでいたい。


それでも、俺は証明する。


「お前があいつらを、好き勝手に語ってんじゃねえ!!」


俺を生かしたあいつらが正しかったことを、俺が生きて、これから証明していく。生きてくれてよかったと、誰にでも思われてみせる。


希望は…見える!


見えるそれは、本当に希望なんか、そんなものは分かんねえ。不確かで、抽象的で、あやふやで。


でも、それを信じる。信じて突き進む。


今までだって、そうだったじゃねえか。


俺は、俺の意志で、這い上がった。勝ってきた。


胸の中に飼ってたこのバケモンなんか、ただのオマケだ。間違いなく、この俺が、勝ち取ったんだ。


「『藤井カナト型成長(ビルド・俺)!!」


抑えていた『反発』を、最大まで発動しろ!


無謀で傲慢(ごうまん)な俺を。


誰にでも立ち向かえる不遜(ふそん)な俺を、再現しろ!


『反発』で作り上げた青白い、エナジーの剣。


「覚悟しやがれバケモン!」


「ムダナ…アガキ」


凄まじい速度で伸びる手。俺を丸ごと飲み込むほどの大きさの手が、迫りくる。


「避けねえよ」


『反発』の剣で、切り裂いた。


「グァァァァ!!!!」


入った切り傷は貧相で、浅い。すぐに再生されてしまう。


でも、この過剰な叫び。


さっきからずっと考えていたことだった。


こいつは知能を手に入れたなら。


「賢くなりすぎたみてえだな。この泣きべそ!」


「ナイテ…ナド…」


『超再生』で即座に無傷になった手を庇うように屈み、痛みを嚙みしめるバケモン。


このまま一気に畳みかける。


そう思いかけて、足が止まった。


「ナイテナンカ…ナイモン!!!」


バケモンが、暴れ始める。


弾け飛ぶ『真紅』が、ビルやコンクリートを更に破壊していく。


ああ、こいつ。


認めたくねえけど。



△△△



ナンデ…ダヨ!!!


ボクバッカリ…ボクバッカリ!!!


『またカナトがリョウに逆らってるよ』


『やめとけよ~、ケガするぞ~』


『お前じゃ無理だ。諦めろ』


ミンナ…ボクヲ…ヨワイモノアツカイシテ。


『カナト、大丈夫?』


ミツキ…ハ…ヤサシカッタ…。


デモ…。


『リョウだって、カナトのことをいいやつだって思ってるんだから、仲良くしてあげようよ』


ミツキハ…リョウノコトバッカリ…!!


イマ…ダッテ…。


「カナト!」


オレノ…トナリジャナクテ…ソッチノカナトニ…


「ミツキ、頼みたいことがあるんだけど…」


「カナトに言われなくても分かってるし」


ミツキガ…ワラッタ。


オレニジャナイ…ソイツニ…


「だから先に来たのよ? 会長やルナちゃんたちを差し置いてここに来た。たぶんこれ、私にしかできないことだから」


ミツキガ…『カゼ』ヲマトウ。


「オマエニ…ナニガデキル…!」


ソウダ…イマノオレハ…ミツキニモ…マケナイ…!


ツヨクナッタ…ダレヨリモ…ダ!!


「カナト」


オレノコトヲ…カナト…ッテ…。


ヤッパリ…ミツキハ…オレノコトヲ…。


オレノコトヲ…オレノコトヲ…。


「求めてないから」


…エ…?


「あんただけが強くなっても、誰のためにもならない。少なくとも私は、求めてない」


「ミツキ…ソレハ…」


「本気で言ってるから。ついでに言っちゃうけど、あんたが私のことを好きなのは知ってる」


「ナ…ナニヲイッテ…!!」


「教室で私のことをチラチラ、チラチラ、見てくるのが気持ち悪かった。自分の強さを私に見せつけるみたいにリョウに立ち向かって、大声出して、他のみんなにも迷惑かけて、わがままで、自己中で、気配りが出来ない」


ヤメロ…。


「マッテクレ…ミツキ…」


「待たない」


ソンナ…メヲ…シナイデヨ…。


「てか、誰がそんな人好きになるのよ。あなたの気持ち悪い理想を私に押し付けないで」


…。


…。


…。


「アア…アア…ナンデ…ソンナコトイウンダヨ…ボクダッテ…ガンバッテルノニ…リョウナンカヨリモ…ズットガンバッテルノニ…」


アア…。


アア…。


「ソンナカオ…シナイデヨ…」


「ごめん、カナト。言い過ぎたかも」


「いや、上出来だ! やっぱりお前、最恐の幼馴染だよ!!」


ミツキガ…ハナレテ…イク…。


「終わりだバケモン」


『ケン』ガ…ムネニ…ササッタ。


「認めたくねえけど、お前は、俺だ。タナト」


「ウル…サイ…」


チシリョウノ『ハンパツ』ガ…ナガレル…。


『チョウサイセイ』ガ…マニアワナイ…。


セメテ…コイツヲ…ミチヅレニ!


『シンク』ノケンヲ…ショウカンシテ…。


「やっべえ!」


ククク…。


「カナト! 避けて!」


シネ!!


「ナ…ニ…、ウ…ゴ…カナ…イ?」


…ツメタイ…。


「遊びじゃねえぞ、カナト」


リョウ…オマエ…。


「ったく、どっちに言ってんだよ、この大馬鹿野郎」


ケン…ガ…ムネニササッ…テ…ウゴケ…ナイ…!


『コオリ』ガ…ゼンシン…ニ…ヒロガ…ル。


「お前に言ってんだよ。人間の方のバカなカナト」


「うっせえバカ! もう裏切ったりすんなよ。次は俺がぶっ飛ばしてやっからな」


「それは楽しみだな。次はこんなのに頼らずに俺を討ってみろ、バカカナト」


「お前こそ、ドーピングなしで俺に勝ってみろっての、バカリョウ」


シニタクナイ…ノニ…。


ミツキ…ミツキ…。


ズット…フキゲンナカオ…シナイデヨ…。


「バカはどっちもね。ホント、2人はいっつも私を置いてけぼりにしたがるんだから」


ボクニモ…ワラッテヨ…!

解説


カナトがE地区に連れていかれた時、真っ先に追いかけたのはミツキでした。

タナトの攻撃対象に最もなりにくいのでダメージも皆無、エナジー総量も彼女だけが万全で、出力最大の『風』でカナトを追いかけました。テリヒメの『陽光凱歌』の能力上昇もあり、早めに到着。


リョウは厳重に拘束されていましたが、大城ユミコにより拘束を解かれました。

『必殺のグロース』の効果は完全に消えても、素のレベルは『Lv60』なので、全力疾走でカナトに間に合いました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。