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デスゲームで死んだらパラレルロボ世界だったんですが?  作者: 蒼井茜


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くっころ

 個人戦会場にて、やはり冷却が間に合わなかったツクヨミ改の代わりにブラックボックスで参加する事になった俺は少し戸惑っていた。

 いや、まぁバトロワだからそういう事もあるよなとは思っていたんだよ。

 だけどさ……。


「開幕全員仲良しこよしってのはどうなのかね……」


 敵の敵は味方とはよく言ったもんだ。

 厄介そうなのは先に潰せという魂胆なのだろう。

 全員が全員、要するに予選で俺と同じブロックになった奴らが手を組んで包囲してきた。

 ……これ始まる前に打合せしてたな?

 レーダーに映ってる反応からして統制がとれている。

 こういう時の対処法は大まかに三つ。


 一つ、リーダー格を潰す。

 誰がリーダーやってるかわからんし、交代要員や小隊長がいたら面倒だからパス。

 二つ、全滅させる。

 馬鹿でもわかる方法だがブラックボックスの出力じゃ厳しい所がある……いや、最後はそうするんだけどさ。

 そして三つ、一番簡単な方法だ。

 包囲網を突破して一方向からの攻撃を裁き切って全滅させる。

 二つ目と同じ結末だが順序が違う。

 とにかく全滅させればいいのならそれこそツクヨミ改にドローン大量に積み込めば済む話だが、ブラックボックスではその半分が限度。

 ついでに言えばそれで落とせる数は半減どころか多く見積もっても3割がいい所だろう。

 如何せん出力低いのが問題なんだよな……メカニック連中好き勝手に装備乗せるからエネルギーなんか何時もかつかつになるし、パイロットの事考えて無さすぎる。

 なにが「あ? お前なら100Gくらい耐えられるだろ」だ、死ぬわ普通に!

 せいぜいがその半分だっての!


「あーめんどくせえ……」


 唯一の救いは、相手の腰が引けてることくらいか?

 格上との戦闘経験、死線を渡るような戦い、明らかにヤバイ相手の討伐、多で少を囲んでの経験不足。

 まぁ純粋に経験が足りてないんだよな。

 だからか、さっき大暴れしたのが響いている。

 俺にもデメリットはあったが、相手をビビらせる程度にはうまく動けたという事にしておこう。


「というわけで、一番腰が引けてるお前らからだ!」


 南西の方角で陣取っていた連中、この中じゃ一番数が多いくせにやたらまとまって動く奴らに焦点を当てる。

 ようするにあれだろ、戦力足り得ない連中を集めて固めてどうにかしようって魂胆だろ。

 それを突破するのにそこまで難しい事をする必要はない。

 変形して速攻で突撃、それに合わせてレーダーに映っていた連中が慌てて隊列を組みなおして包囲網を固めようとするが遅い。

 と言うかこのくらい想定しておけ、リーダーもヘボだな。


「はいで迎えご苦労、死ね」


 片翼に取り付けられたガトリングを乱射しながらもう片方の羽に取り付けられたミサイルをぶっ放す。

 えーと……2ダースくらい沈めたか?

 まだ生き残りはいるがサクッとビームサーベルでとどめを刺して、連中が陣取っていた高台で受けの構えを取る。

 いや、これバランス悪いってやっぱ。

 ミサイルとガトリング両方積んだら重すぎる、なら半々で積めばいいんじゃねと言う馬鹿の発想による改造だけど無理無理。

 ガトリング撃つたびに重量バランス変わって姿勢制御難しいし、ミサイル撃ったらまたバランス崩れて最悪きりもみしながら変な所にぶつかるってこれ。

 後で苦情だな。


「とはいえ、このガトリングは気に入った」


 ギア形態になれば片手で持てて、なおかつバックパックに当たる部分に山ほど銃弾積んでいるからこれだけでも結構暴れられる。

 とはいえ実弾なので弾切れ注意だが、残り2000発。

 無駄遣いしなければ半分は落とせるだろう。

 ただその前に……。


「行けよ! ドローン共!」


 脚部に無理矢理増設されたドローンキャリアー。

 無駄に高性能で刺突もできるドローンを配備してあるのだが、おかげでエネルギーがゴリゴリ食われていく代物。

 載せてる数が300機とか言う「とりあえずどこまで乗せられるか試そうぜ、夫重さで動けなくなったからアフターバーナーで無理矢理動かせばいいか」とか言うマジで頭の悪い発想から出てきた産物。

 もう背負わせろよと思ったけど、それやるとガトリングが飾りになると言われた。

 おかげで脚部が3倍くらいの太さになってるんだよブラックボックス。

 見た目だけで言うなら糞カッコ悪いが、実際に運用できているから微妙に苦情入れにくいのがムカつく。

 なおツクヨミ改のドローン専用バックパック使うとこの倍、600機を同時に操れるようになるが、それもまたエネルギー馬鹿食いする浪漫装備である。

 強いんだけど欠点ははっきりしている、好きだよそういう装備。


「っと、集中しねえと」


 接近する奴から順繰り落としていたが……思いのほか狙撃がとんでくるな。

 ヘボだから当たらないし、直撃コースだとしてもこっちはシールドもサーベルもある。

 弾くのも受け止めるのも簡単だ。


「半分は後方を食い散らかしに行かせるか」


 皮肉だな、包囲していた側が包囲網破られて、更にドローンで包囲される。

 お、あの端っこでうずくまってるのが親玉かな?

 全滅させることに変わりはないし、サクッとドローンに攻撃させて……あれ、通信が途切れた。

 モニター見れば森林エリアの片隅で爆炎……というか遅れて衝撃が期待を揺らした。

 飛んでもねえ寮の爆薬積んでたな?

 包囲網を狭めて爆発系武器で纏めて……って算段だった可能性が高いな。

 で、破壊した時に爆発してドローンが巻き込まれたと……それはいいんだが……ナパームまで持ってくるか?

 森林に燃え移って大変なことになってるぞ。

 火の手に追われて、ドローンに追われて、君達大変だね。

 仲間にしたつもりが背後からまとめてふっ飛ばすつもりだった奴に使われた末路がこれだ。

 優しく撫でてやるから大人しく死ぬがよい。

 屈しろ! 楽に殺してやる!

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