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デスゲームで死んだらパラレルロボ世界だったんですが?  作者: 蒼井茜


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反省会

 それからしばらくして殲滅戦は無事終わった。

 傷ついた機体はそれなりにあったが、爆散したのはクリスの機体だけ。

 あとはせいぜいが腕が捥げた程度の中破である。


 というかクリスの場合予備の機体すら両腕のジョイント馬鹿になってたからな。

 流石にメイン機体ほど頑丈に作ってなかったのもあるが、並のギアをこの数時間で使い潰したことになる。


「よし、反省会しよう」


「え? ここは打ち上げじゃないの?」


「お前を打ち上げるぞ機体全損&半壊女」


「MVPでしょ」


 面の皮が厚いというかなんというか……。


「戦術が大雑把すぎるんだよ。いきなり眼球に機体埋めて自爆とか普通じゃねえからな」


「一番普通じゃない事してた人が何か言ってる……」


 よーし、凛。

 お前もそんなに突っ込まれたいか?


「凜は索敵が甘い。元凶見つけるのにどんだけ時間かけたよ。というか俺が言わなきゃ気付かなかっただろ」


「うっ……で、でも近距離探知だけで手いっぱいだったし……」


「実際の戦場だとオペレーターとナビゲーターは命綱だ。それが今にも切れそうな糸となると……背中は任せられねえなぁ」


「だ、だけど!」


「ここで反省できるならよし、できないならパイロット向いてないから降りろ」


「まぁまぁ幸助。それは流石に言いすぎだよ」


「そうは言うが、自分だけならまだしも仲間全体巻き込む話だぞ。厳しい評価にもなる」


「かもしれないけどね、軍が気付いていないのに気付けっていうのも無理だよ。むしろ中学生にしてはよくできてた方だと思うけど?」


「甘いなぁ、甘い。良平はその甘さを捨てないと仲間のせいで死ぬぞ」


「仲間のために死ねるなら本望かな。まぁやすやすと死ぬつもりはないけど」


 いい男なんだよなぁ。

 だけど、という言葉がつくのが残念だが、まじで良平に関しては今回一切問題行動がなかった。

 なんならしっかり狙撃班兼防衛班のリーダーを務めてくれていた。

 地味な仕事に見えるが、一番重要なポジションだ。


「そういうあんたはどうなのよ」


「最初から専用のバックパックを用意しておくべきだった。機体の改修ばかりで装備の方は無視してた。指示が大雑把だった。こんなところか?」


「あとあの無茶な挙動」


「あれは機体の壊れない範疇だからセーフ」


 実際ツクヨミ改はどこにも問題はない。

 まだ簡易チェックの段階だが、ジョイントもバックパックも、ついでにクリスとドッキングした際にパージしたバックパックのオートで目的地に戻る機能も正常に働いていた。

 俺とおやっさんの設計、そしてみんなで作った機体は俺のやりたい事を100%やらせてくれたと言っていい。

 まぁ、もうちょい無茶できるけど、その場合ツクヨミ改でも空中分解しそうだからしばらく封印だな。

 腕が鈍らないようにシミュレーターで専用のデータ使って遊んでるけど、その動きしたらクリスでも気絶……最悪死んでたかもしれん。

 俺でも専用のパイロットスーツ無いと加速時のGで意識飛びかけるし。


「なら凜ちゃんのミスは幸助のミスでもあるね。最初に広範囲スキャンさせるべきだったから」


「半分はそうだな。ただ残り半分は状況を見て柔軟な対応を取るべきだった」


「……わかった、もっと広範囲に目を向けられるように頑張る」


「よし、いい子だ。とはいえ実際厳しい事言ったけど良平が言う通り半分は俺の指示ミスだ。現場じゃよくある事だが、全部そのせいにするなってだけの話だからな」


「ん……ただし酷い事言った分おやつを所望します」


「……ちゃっかりしてるな」


「駅前のカフェにあるデラックスパフェ特盛EX」


「……それ5000円くらいしなかった? ついでに万単位のカロリーだったよな」


 この世界の住民は車の代わりにギアを使うくらいなので、みんな結構鍛えている。

 それに加えて耐G訓練とか普通にするから消費カロリーがえげつない。

 一般家庭のエンゲル係数だけで見れば……元の地球の3~5倍くらいあるんじゃないか?


「大丈夫! その分運動するから!」


「クリスの面の皮みたいに腹が厚くなっても知らんぞ」


「おい」


「訓練メニューも無理のない範囲で増やすし、ジョギングもするから」


「ならクリスみたいに腹厚くなることも無いな」


 そういった瞬間、凄まじい威力の蹴りが背中にさく裂した。

 当たる前に破裂音がしたぞ……普通の蹴りで音速超えやがった……超いてえ……。


「だれがデブだ!」


「そんなつもりはなかった……と思う」


「よしもう一発だ。顔出せ」


「アレを顔に喰らったら流石に死ぬわ!」


「ならデリカシーを用意して土下座しなさい!」


「お前も慎みを持って機体を大切に扱え!」


「あんたが言うか! 納品されたばかりのツクヨミぶっ壊した戦犯!」


「貴重なプロトタイプのスサノオ2機ぶっ壊した女の台詞じゃねえ!」


「この喧嘩チップ付けて買ってあげるわ! コンペの結果で勝負よ!」


「お前最初から自分が有利な喧嘩買った風に見せて押し売りしてるだけじゃねえか!」


 その後、しばらく俺達の反省会という名の何かは続いたが、半壊したスサノオプロトタイプとインベーダーの体液除去に四苦八苦していたツクヨミ改を見たおやっさんに全員纏めて説教された。

 凛と良平には関係ない話なのに、妙に熱心に聞いてたな……。

 どこそこのインジケーターがぶっ壊れそうだの、体液で関節の動きが鈍るだのって……。

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