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デスゲームで死んだらパラレルロボ世界だったんですが?  作者: 蒼井茜


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元凶

「っしゃ、次!」


 戦闘が始まって1時間、未だにワイバーンは残っている。

 というより無限湧きに近い状態か?

 こりゃベヒモスどころの話じゃねえ、もっと面倒ごとの臭いだ。


「凛! 広範囲索敵! ドローンも駆使して超長距離を広範囲スキャンだ!」


『りょうか……え?』


「どうした!」


『12時の方向上方60度に未確認物体……うそ、大きい……なんで見えなかったの……』


「見えない? まさか!」


 でかいのに見えない、そういう敵はちょいちょいいた。

 インベーダーの中にもステルス性能が高い奴はいたが、その中でも巨体となると数が限られる。

 そしてワイバーンやベヒモス、端的に言えばドラゴン関係になってくると答えは一つしかない。


「各機軍の指揮下でワイバーンの対処をすべし! 凛! そいつの正確な座標を送り続けてくれ!」


『え、りょ、了解!』


「クリス! 今からワイバーンの群に穴をあける! 追撃は任せた! 良平は狙撃で左右から削っていってくれ!」


 指示を出しながらワイバーンの群に突撃する。

 手の届く範囲はクリスのバックパックから借りっぱなしになっていた大型サーベルで切り刻み、行く手を阻む相手は質量で吹っ飛ばす。

 スサノオならバラバラになっていたかもしれないが、ツクヨミ改の頑強製は折り紙付きだ。

 落下するワイバーンが他の個体にぶつかれば御の字、そこ目がけて放たれた矢のごとくクリスが追撃をかましてくれる。


 そうして群れを抜けたところで不可視のそれを見つけた。

 モニターには何も映っていない、だがレーダーがとらえている。

 ぼんやりと、でかい風体のそれを。

 手元のボタンを操作してコックピットハッチを開ければ強い風と共にそれが視界に入る。

 全長5m、はっきり言ってしまえば超小型のインベーダー。

 しかしその厄介性は当時のプレイヤーならだれもが賛同するような、特に宇宙空間なんかじゃ厄介極まりない存在として蛇蝎のごとく嫌われていた。


 いわゆるモブ、端役とかではなくMOBと表記されたそこら辺で普通に接敵するタイプのインベーダーでありながら小型中型のドラゴン型を無限に召喚し続ける厄災。

 名をサモナーミスト。

 霧のような巨体を持っているようにレーダーを誤認させるくせに本体は小さい、そのため見つけるのは非常に困難を極めるが……地上でよかった。

 宇宙では遭遇したら撤退一択とまで言われた存在、それにちゃんとパイロットスーツとヘルメットがあったから風に目を潰されることも無い。

 こうして目視で視認しなきゃいけないのも相まって、霧のように掴み所がないなんて言われていたな。


「おら死ね!」


 サーベルを腰のジョイントに吊るしてからハエ叩きの要領で両手で挟み込めばあっさり潰れた。

 これでワイバーンの無限湧きは抑えられただろう。


「凛、超広範囲索敵継続。他の観測手に近距離を任せつつ情報を常に共有し続けてくれ」


『了解。といっても市内の範囲は全部見たけどどこにも反応は無いよ』


「上と下、特にレーダーの通りが悪い地中にも注意しておけ」


『ん。ダイジョブ、そこら辺は坂月さんに教わったから』


 あの色男め……いいアドバイスしてくれたみたいだが、凛に色目使ったらぶった切る。


「よし、じゃあ上は成層圏まで頼む。そこを過ぎたら流石に別の群だ。ワイバーンの数は」


『……減少傾向、かな。ごめん、はっきりとは断言できないけど少しずつ数を減らしてるように見える』


「十分だ。すぐにそっちに戻る」


 スピーダーの速度全開でぶっ飛ばしたからな……凜の言う市内ギリギリまで来ていただろう。

 直線距離で数十kmってところか?

 思いのほかスピーダーの調子がいい。

 推進剤が減ったことで加速力も増しているし……2秒ってところか。


「クリス、もう一度穴をあけるから離脱しろ」


『了解! そろそろきついから助かるわ!』


 まぁ、ワイバーンの群のど真ん中に置いてきたからな。

 そりゃきついわ。

 スサノオが優れた機体なのは否定したくないが、流石にワイバーンの群相手に近接戦だけで何分も持たせられるような造りにはなってない。

 そこまで行くとワンオフの、ツクヨミ改をベースにした機体でもなければ無理だ。

 というかツクヨミ改でも乗り手によっては無理だな、乗って動かして失神してさよならだ。


「良平、狙撃ポイント指示。今データを送った」


『もらったよ。了解』


 良平に指示を出してからアクセルを踏み込む。

 ブースターに推進剤とエネルギーを集めた瞬間眼前にワイバーン。

 剣を構えてそのまま突撃をかませばあら不思議、開きの完成だ。


「っしゃ、脱出しろクリス!」


『とっくに!』


 俺が空けた穴から即座に脱出したらしい。

 一歩間違えれば正面衝突で真っ二つだったのに、こっちの動き読んでやがったな?

 最近シミュレーターで対戦すると思わぬ回避してくることが増えたけど……癖覚えられたかな。

 今度それ逆手にとって罠仕掛けてみよう。


「よし、お前らあとは殲滅戦だ! 気を抜かずに行け!」


『『『『『おう!』』』』』


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