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アマリスの奇跡  作者: 及川 莉奈
最終章 アマリスが与えた光
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奇襲 2

流血表現が続きます。

苦手な人はご注意を!

 転がる死体を避けつつ、魔獣に向かう。

護衛のほとんどが魔法が使える選りすぐりのメンバーで、

その中にはヘタな魔獣なら秒殺で倒せる者もいた。

しかし、そんな護衛達がエレノアが会場から離れたほんの数分の間に次々と倒されたのだ。

おそらく今までの魔獣と比べ物にならない強さを持つ。

エレノアは足に魔法をかけ体を宙に浮かせ、

魔獣の背中に風を放った。

その衝撃に魔獣がこちらをゆっくりと振り向く。


『……迷い子か。』

 エレノアを視認すると魔獣はそう呟き、

ニタリと口元を歪め血まみれの歯をみせる。

あまりの不気味さ獰猛さに一瞬背筋に寒気が走った。

そして、魔獣にはエレノアの放った一発はかけらも効いていなかった。


まずいわね。

内心冷や汗をかくが次の攻撃を繰り出す。

しかし、魔獣は軽々と避け、エレノアの背後に回った。

速いっ!

まずいと思った時には既に遅く、

重い一発をエレノアの背中に放たれ、

エレノアは地面に叩かれた。


体に来る衝撃をすんでのところで風で和らげ即座に身を起こす。

先ほどやられた背中からジンジンとした痛みを感じ顔をしかめる。

大きさは小さいのにパワーもスピードも今までのやつとは格段に違った。

さらには宙に浮くこともできるため、

エレノアの有利な点はなくなっている。


『安心しろ。お前を殺すことはない』

逡巡するエレノアに魔獣はニヤリと顔を歪める。

「……どういうことかしら?」

『我らの王の元へいってもらう』

「いやよ」

『そうか。だが、俺の任務は迷い子を王の元へお連れすることだ。』

魔獣はエレノアの拒絶に戸惑うことも激昂することもなく淡々と述べる。

今までの魔獣は感情的で理性などなかった。

しかしこいつは……

魔獣は動き出すやすぐにエレノアの背後に再び回り込むが、エレノアは後ろに飛び攻撃を避ける。

そしてそのまま風のかまいたちを後ろに飛びながら連続で放つが、魔獣は素早くそれを避けエレノアに再び重い拳を放った。

鞘に収めたままの剣でエレノアはその拳をいなし、そのまま剣を抜き、後ろに回って魔獣の背中に切りつける。


魔獣は即座に気づき身を翻し避け、エレノアの背中にかかと落としを放つ。

強い衝撃とともにエレノアの体は地面に叩きつけられる。


『楽勝だーーっ! 』


魔獣がそう呟いた刹那、彼は背中を貫く衝撃に言葉を失った。

細身の剣先が彼の胴体を貫いていたのだ。

「ーーっな! つらぬ……くだと!?」

魔獣は信じられない出来事に瞠目し、かすれ掠れに呟くと身体は地面に落ちていった。


エレノアは地面に落ちた目を見開き体をピクピクさせる魔獣に近寄り、抑揚のない声で淡々と魔獣に問いかけた。


「一つ聞くわ。どうして離宮を襲ったの?私が目的なら他にいくらでも機会はあったでしょうに。」

「…わからな…いか?」

「どういうこと?」

「これこそが……計画通りだと…うことに」

「は?」

魔獣はニヤリと口元を歪め離宮の先に目を向けるとそのまま動かなくなった。

一瞬目を瞬いたがハッとして魔獣の視線の先を探した。

狙いは王宮!?

この離宮の奇襲は目くらましだというの!?

エレノアはさっと顔が青ざめた。

リリーを逃したと思ったら危険な王宮に向かわせていたのだ。

リリー様が危ない!!

エレノアがリリーを追おうと出口の方へ駆け出した瞬間、リリーの悲鳴が離宮に響き渡った。



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