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アマリスの奇跡  作者: 及川 莉奈
最終章 アマリスが与えた光
58/61

毒花 3

長期間休載してしまいすみませんm(__)m


イザベルが彼女の護衛と合流するのを見届けた後、エレノアはリリーと向き合う。

青空と同じ色の瞳を一瞬伏せ、リリーは決意したように顔を上げ、徐に口を開いた。


「以前、エレノアが神殿にいらした時に読んだ書物を覚えておいでですか?」

「ええ。覚えてます。」


神殿に行った時に[アマリスの乙女]という題名の書物のことだ。確かあの書物は……

「『そして1000年後、

聖なる力を宿す銀と魔の力を宿す赤を同時に持つ【迷い子】は1000年の時を超え現る。

【迷い子】の心が闇に支配されし時

魔王は迷い子を依代に再びこの地に蘇らん』

これがあの書物の続きです」

リリーの言葉にエレノアは一瞬声が出なかった。「……【迷い子】?」

つい先ほどイザベル妃に向けた言葉であり、そして辺境伯爵の事件の時セドブルもエレノアに向けていった言葉だ。

「【迷い子】は銀と赤をもち1000年の時空を超えた。そして、魔王の封印を解く力を持つもの。」

「……銀と赤」

「そう。聖なる象徴と魔の象徴のことです。

エレノア。貴女は復活派に狙われて来ましたよね?」

復活派…魔王の復活を目的とした組織。

アマリスの乙女祭でも洞窟の一件でも、ついこの間の辺境伯爵の事件でも引き金となった連中だ。

5年前の事件でも……


「確かにそうですね。」

「復活派の目的は魔王の復活。

私の言いたいことわかりますよね?」

「私が【迷い子】だと言いたいのですか……?」


リリーのエレノアを見つめる視線を受け、エレノアは震える声で言葉を発する。

リリーは無言で頷いた。

イザベル妃もセドブルもエレノアに向けて【迷い子】と言っていた。

自分の特異な容姿を考えるとそうかもしれない

しかし、エレノアはどうしても納得のいかなかった。

「1000年の時空なんて超えられませんよ。それはやはり伝説だけの話ではないんですか?」

「その通りです。だから、エレノアにお願いがあってここに来たのです。」

「お願い?」

「はい。」

リリーが口にしようとした瞬間、断末魔と奇声、そして魔獣の雄叫びが耳に届いた。

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