晩餐
短いです
最終章突入しました!!
月の光も入らない部屋には長い食卓の上に置かれたキャンドルだけが煌々と光を放っていた。
食卓には顔の良く似た亜麻色の髪の若い男と中年の女、ゴスロリちっくな服に身を包んだツインテールの女、短髪の男、老齢の紳士、そして見目麗しい漆黒の髪の青年が座っていた。
そして食卓の脇には栗毛色の美少女のメイドが控えていた。
「この間は失敗なさったそうね、セドブル」
ツインテールの女、メリッサは愉快そうにクスクスと笑う。
一瞬不快そうに眉をひそめた老齢の紳士、セドブルはすぐに穏やかな笑みを浮かべた。
「何を言っているのです?
あれで作戦は成功ですよ
それよりも貴女はクロ様にまで迷惑をかけたとか」
「それはわたしも聞いたな。
長い年月をかけたわりに無様な姿を晒したとか」
「ヘリオス。貴方こそどうなの? 貴方の大切な弟君には勝てたのかしら?」
メリッサは妖艶な笑みで切り返した。
ヘリオスは苛立たし気に眉を吊り上げ次の言葉を紡ごうとした刹那、
「メリッサ、ヘリオス王子。」
見目麗しい漆黒の髪の青年ークロは今にも二人を殺しそうな冷たい声で二人を制止した。
二人はひっと息を飲んだ。
二人が黙ったのを一瞥するとクロはワイングラスを手首を使ってくるくると回し、赤黒いワインに口付けた。
「時は満ちた。」
クロは徐ろに告げる。
5人は息を飲んで次の言葉を待った。
「1000年の時を経て忌々しい封印から解かれる時は近い。
後は【迷い子】を手に入れるだけだ。」
クロはゆったりと5人を見回す。
「イザベル妃、ヘリオス王子。
二人は例の作戦を開始しろ」
イザベル妃とヘリオスは胸に手を置き軽く頭を下げた。
「必ずしや成し遂げてみせましょう」
イザベル妃には野望、ヘリオスには劣等感と憎悪が入り混じった歪んだ光を瞳に宿していた。




