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アマリスの奇跡  作者: 及川 莉奈
四章 辺境伯爵と神隠し
36/61

レイモンド領 2

更新が遅れてしまいました。

すみませんm(_ _)m



りんごの甘酸っぱい香りとパイの香ばしい香りが混ざり合った香りが部屋を充満していた。

部屋を案内された後、10分も満たないうちに客間通された。

客間はシミひとつない壁に銀色の糸でアマリスの花をあしらった赤い絨毯。

細かな細工が施された木製の卓には作りたてのアップルパイが4人分おかれていた。

「どうぞ。お掛けになってください」

伯爵が促すと【ガーベラ】の4人は伯爵に向かい合うようにしてパイの前に腰をかけた。

「我が家特製のアップルパイでございます。

温かいうちにお召し上がりください」

「では、お言葉に甘えて」

伯爵が微笑んで勧めるとルークは王子用の笑みを浮かべてアップルパイに手をつけた。

それに倣ってシャラやカイルも続いたが、エレノアだけは手をつけようとはしなかった。

そんなエレノアの様子に伯爵は燻陰にエレノアに声をかけた。

「どうかなさいましたか?」

「申し訳ありません。甘いものは少し苦手で……」

「そうですか。それは申し訳ございません」

エレノアは申し訳なさそうに微笑んで返した。

ルークはそんなエレノアの様子に首をひねった。

……この間シャラと普通にマカロン食べていたよな?

第一、ここは貴族の屋敷だ。

苦手でも一口は手をつけるのが礼儀なのに……

訝しんでいるとふと横から温かいものが手を触れた。

思わずピクリと体が震えそうになるのをこらえて触れてきたエレノアを目線だけやる。

だが、エレノアは何もしていないかのように伯爵の方を向いている。

なんだろうか?

取り敢えず、気づかないふりをすればいいのか?

エレノアの意図が読めず戸惑いつつも視線を伯爵に戻した。

するりとエレノアの細い指がルークの手の甲をなぞった。

体がカッと熱くなり心臓が激しく脈打つが、

エレノアは依然として表情を崩さない。

ルークが混乱している間もエレノアの指は動き続ける。

トントンと軽く叩いてなぞったり、その感触だけでもルークは頭に熱が昇る。

どういうつもりだ?

エレノアに惚れているルークにとってはかなり心臓に悪い。

机の下で手を触るなんてまるで恋人同士のじゃれあいみたいだ!!

期待と高揚感が膨れ上がるが、ふとエレノアが手を止めた。

エレノアが軽くつねり、伯爵の目がそれたうちにルークを軽く睨んだ。

ルークの頭に疑問符が浮かぶ中、再びエレノアの指がなぞる。

何か意図があるのか?

ルークはエレノアが恋愛的な意味が全くないことに気持ちが萎んだが、

そうとも言っていられずエレノアの手の動きに感覚を澄ました。

ツートントン ツーツーツー ツートン…

モールス信号か?

ルークは慎重にその内容を読み取っていく。

『Don't eat. I feel uneasy.Quickly cut out the story .

(食べるな。胸騒ぎがする。早く話を切り出せ)』

風属性は気配に敏感だが、

エレノアは魔力の大きさと内に秘める魔族の血からも手伝ってか、通常よりも気配に敏感だ。

任務においてもエレノアに何度も助けられている。

今回もエレノア自信が伯爵に感ずるものがあるのだろう。

ルークは了解の意味を込めてトンと返した。

「伯爵。神隠しの件についてお話を伺いたい」

「ええ。もちろんですとも。」

伯爵は鷹揚に頷いて話を始めた。


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