異変
エレノアの様子がおかしい。
洞窟の奥まで進んだところでルークは異変に気づいた。
後方をチラ見すると
エレノアの息が上がっていた。
まるで何かを押さえつけるように両手で体を支えていた。
「どうしっ……」
「来たわ! 」
ルークが声をかけた瞬間
エレノアが声をあげた。
その声とともに自分たちの2倍はある大きな狐が現れた。
『愚かな人間共め。妾の餌にしてくれる!』
狐は飛びかかってきた。
エレノアが前線に出て剣で狐の攻撃を退けた。
「エレノア! 前線に出るな! 」
エレノアはちらりともルークたちを見ることない
体格差に怯むこともなく剣を振るう
しかし、狐の毛は固く、エレノアの剣をはじき返した。
「隊長命令だ! 戻れ! 」
「早く洞窟をでてっ!! 」
エレノアはどこか切羽詰まった声をあげた。
「ダメだ。こいつに物理攻撃は効かない!
魔法で対応する! 」
「知ってるわよ! 私が魔法を使う前に早く遠くへ! 」
「どういうことだ?」
「いいからはやく!! 」
エレノアは切羽詰まっていた。
しかし、ここでエレノアの言う通りにしたらエレノアに二度と会えない気がした。
「どうしたの? エレノアは?! 」
「様子がおかしい。とりあえずエレノアの言うことを聞こう」
カイルがルークの手を引いた。
しかしルークはなおも食い下がる。
「ダメだ。この任務は【ガーベラ】で成功させる。
それに……もしかしたら……」
最悪な事態がよぎる
もしそうなら
全力でエレノアを止めなければならなかった。
『あの約束を違えるなよ』
団長の声がルークの中響いていた。




