決意
「馬鹿野郎!! 」
団長が机をバンッと叩いた。
四人はその様子を萎れて見つめた。
確かになんとかアマリス乙女は救出し、けが人は死人もなく乙女祭は成功を収めた。
しかし、犯人にはあともう少しのところで逃げられてしまったのだ。
ぐうの音も出ない。
「なんであんな演出しやがったんだ!! 」
「はぁ!? 」
予想外の言葉に4人はあっけに取られた。
「あれが大絶賛されて来年からあのレベルをやらなきゃいけなくなったんだよ!!
ただでさえ忙しいのにっ!
余計なことしやがって! 」
「参加者にばれないようにしろって言ったの団長だよな?」
ルークがぼやくと、
団長は鋭く睨んだ。
エレノアはこうなった団長は手がつけられないのを知っていたので、ばかと軽く呟く。
「やり過ぎなんだよ!!
来年からお前らがやれ! わかったか!! 」
ヒートアップした団長は早口で捲し上げ、
怒鳴り声に近い声を上げて、
4人に向かってビシッと指を突きつけた。
大人気ない……
そっと溜息をつき、他のメンバーの顔を見る。
誰もが納得いかないし、うんざりだと顔に書いてあった。
この後、1時間半にわたり、幹部に何て言われただのどうでもいい八つ当たりの末に解放されたのだった。
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「随分とスッキリした顔をしてるな。」
「あぁ、オリヴァー
やっと気持ちに整理がついたんだ」
ルークは敢えて団長をオリヴァーと呼んだ。
それは彼の部下である隊長としてではなく、
彼の主である王子としてではなく、
彼と対等な関係にあるただのルークとしてだと暗に示していた
オリヴァーは面白そうに口角を上げた。
「ほう。それで? 」
「俺はあいつを守る。
どんなことがあっても。」
「あいつはお前を忘れているんだぞ? 」
「それでもいい。あの約束を俺は覚えてる。
それに、俺はあいつが好きだから。」
リリーにもらった勇気。
エレノアが自分と同じ想いを抱えていないとしても
彼女の運命は変えてみせる。
「王子の義務はいいのか? あいつが暴走したらどうするんだ? 」
「一人の大切な女の子を守ることすらできなくて何が王子だ。
暴走したら絶対にあいつの力を抑える。
最悪な結末なんて生まない」
「止められると思うのか? 」
「やるんだよ。」
オリヴァーはルークの決意を探るように見つめた。
ルークは負けじと強い目で返した。
二人の間に息も詰まるような緊張が走った。
「絶対にその言葉を違えるなよ。」
「あぁ。」
オリヴァーの言葉にルークは力強く頷いた。




