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銀の姫は舞い踊る
てんとう虫が家の大きさまで巨大化した魔物が
蠢いていた。
「手はず通りいくわよ」
「了解!! 」
「分かったわ! 」
祭壇にこっそり隠しておいた予備の銀色の衣に着替えたエレノアの号令とともに
カイルがエレノアをアマリスの花で包みこんだ。
突然の花吹雪に参加者たちは祭壇に一斉に注目した
アマリスの花吹雪が収まるとそこには
銀色の衣に身を包んだ銀髪の少女がいた。
おぉぉと観客になった参加者たちがどよめく。
観客たちはこのアマリスの花から出てきた少女を
アマリスの乙女として認識したようだった。
エレノアはゆっくりと可憐にドレスの裾を掴み挨拶した後、優雅に特別なステップを踏んで
舞い始めた。
エレノアが左手を振ると
銀色のアマリスの花が左手から吹き出す。
同時に魔物もシャラの炎の魔力がこもったワイヤーで
締め付けられその方向に苦しむ。
観客の貴族たちには
アマリスの乙女が花の力で魔物を倒しているように見えるのだろう。
エレノアが舞い魔物が弱っていくたびに
貴族たちは歓声をあげた。
エレノアは優雅に舞う。
「伝説の再来だ……」
誰かが言った。
この場にいる誰もがエレノアの舞の一挙一動に
目を奪われていた。




