告白と運命
「ルーク様。好きです」
「リリー……ごめん」
「分かっていましたわ。
エレノアが好きなんですよね」
核心をつかれ、思わずかっとした。
「そんなことっ……」
「優しい目でしたわ
それでも否定なさる?」
挑むようなリリーのまっすぐな瞳から目を逸らす。
「あいつがあの力を持つ限り、
俺はいつかあいつを殺す。
好きになるわけにはいかない……」
「でも好きになってしまった?」
「……もう捨てた」
「昔、絶対に守らなければならない子がいるっておっしゃいましたわよね?
捨てられるような簡単なものでしたの?」
「……。」
リリーの辛辣な口調にルークは言葉を詰まらせた。
簡単なものではない。
あの誓いは……
ルークのかたくなな様子にリリーは苦笑した。
「意固地ですわね。
貴方はエレノアを殺せませんわ。」
「やらなければいけない。」
「いいえ。あなたのエレノアに対する想いは深い。」
鋭く言い放ったリリーに
ルークは目をかっとさせた。
「なら……どうすればいいんだ?
あいつが暴走すればこの世界は滅亡するんだぞ! 」
「貴方はどうしたいのですか」
リリーは冷静だった。
「俺は一人の男である以前に……王子なんだ。
どうしたいもない! 」
感情的になるルークに冷めた瞳でリリーは淡々と告げる。
「確かにルーク様は王子です。
アマリス王国に貢献する義務を課されている立場ですわ。
でも、一人の女性を犠牲にする義務とはなんですの?
一人の男が命をかけてでも守りたい女を守れずして王子としての義務? 笑えますわね」
普段のリリーからは考えられない物言いにルークは言葉を失う。
「ルーク様。
運命は強い意志さえあれば変えられます。
大切なのは貴方の強い意志。」
「……俺の意志? 」
リリーは瞳を和らげ唇を緩く結び綻んだ笑みを浮かべて頷く。
「そうです。
王子でもない何の義務もないただのルーク殿として伺います。
どうしたいのですか? 」
ルークはゆっくりと想いを口にした
「エレノアを……守りたい。
大切なんだ。幼いの頃から。
優しくて無邪気な笑顔をくれた女の子がーー! 」
「その意志を強く持ってください。
運命は変わりますわ。
それに……エレノアはまっすぐで強い光をもつ人。
必ずしやその意志に応えてくれます」
「リリー……ありがとう」
凛と言い放つリリーに
ルークは感謝の言葉しか出なかった。
リリーはニコリと微笑んだ。
目には薄っすらと涙を浮かべて。




