表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
明日は  作者: 白い花びら
37/44

魚釣り

 お久しぶりです。今日からまた投稿頑張ります。


 

 冬ごもりは今の所順調だ。

 狩りに出ている獣達も獲物にありつけているようで、保存食の減りは遅い。

 ジークとアルも定期的に狩りに出かけ、鴨やウサギなどを穫ってくる。

 

 このまま春がくればいいと強く願う。

 皆が無事に冬を越せますように。

 


 山奥にあるという湖で魚釣りをしようというアルとジークに誘われて、今日は皆でやってきた。

 ここは北狐宰相の秘密の狩り場なのだとか。鴨を狙う2人がたまたま遭遇し、口外しない代わりに釣りを許されたのだそうだ。


 「私、釣りって初めてだよ。」

 「そうですか。大丈夫です、難しいことは何もありません。釣り糸を垂らし、魚がかかったら引き上げるだけですので。」

 「アル、私もやったことないのに何故お前は知っているんだ?」


 「実は騎士団長様が釣り好きなのです。鍛錬のときにたまたま聞きまして、一度連れて行っていただきました。それからたまにご一緒させていただいていました。魚を釣り上げるときの高揚感が癖になりまして。」

 「そんな楽しいことを私に黙っていたとは、アル!ずるいぞ!」

 「王子が聞いたら絶対に一緒に行くと言うに決まっていますから。」

 「むっ。それは、言うだろう。」

 「だからです。湖は国はずれで警護も難しいですし、狩り好きな王子が釣りを知れば絶対一度で済むはずないのは明白だったからです。」

 「っ!・・・。そうかもしれないが。」


 「ふふっ。ジーク良かったね、今日は魚釣りできるよ。魚、釣れると良いね。」

 「はい!たくさん釣りましょう。ユウ様、私にお任せを。」

 「ジーク!こんなところでひざまづかないで!」





 倒れた大きな木をつたって歩き、湖の中に糸を垂らす。見たことのある釣り道具。

 不要品の部屋には本当になんでもあるんだね。


 「あれ?宰相はどうやって釣りをするの?」

 「それが、! きた!!!」


 竿がぐんとしなって水の中を糸の先があちこちに動く。

 アルは器用に丸太の上を糸にあわせてうろうろと動き回った後、竿をゆっくりとあげた。

 竿はすごくしなって、折れてしまわないかはらはらする。魚は引きあげられないようになおも動き回るけれど逃げられないみたい。

 アルがあげた釣り糸の先が水面からでると、銀色のお腹をした手のひらくらいの魚がぶらさがっていた。

 くねくねと身体を動かしている。


 「うわあ!釣れたね!凄い、アル!」

 「いやあ、それほどでもないですよ。」

 照れて頭をかくアルはぶら下がった魚をはずし、ジークがつくった深いかごにいれた。


 「あ、私も!」

 ジークの竿がグンとしなって糸の先が水面を動き回る。

 ジークがあわてて竿をしならせて引き上げるとヒュンと糸が風を切った。


 「ああ、逃げられてしまいましたね。」

 「惜しかったね。」

 「・・・。」


 悔しそうにだまって餌をつけると、ジークはすぐに糸を垂らした。


 「ジーク、魚がかかったらすぐに引き上げないでしばらく魚を泳がせて弱らせます。それから、タイミングを合わせて竿をあげると良いですよ。」

 「・・・。わかった。」


 じっと糸の先を見つめる、ジーク。

 アルも、また糸を垂らす。


 いつもは話題がつきない程良く話をしている2人が、黙って水面を見つめている。

 こういうのを集中力凄い人っていうのかな。


 しばらくするとまたジークの竿が引っ張られる。続けてアルも。

 2人とも今度は魚を泳がせるために移動しながら糸が絡まないようにしている。言葉を発しなくても阿吽の呼吸っていうのかな、すごいな。

 アルが魚を引き上げたあと、ジークも慎重に竿をあげた。今度はうまくいった。さっきのアルの魚より大きい。ジークの魚も大きかった。


 「やったぞ!」

 「お見事です。」

 「良かったね、ジーク。」

 「はい!ですが、まだまだです。」


 それから2人は競うように、いえ競ってつぎつぎと魚を釣り上げていった。

 小さくないかごはいっぱいになって、今日はおしまい。


 私といえば不思議なことにちょっと動いただけでうんともすんともいわない竿をひたすら握りしめてジークとアルの釣る様子を楽しんでいただけ。

 帰るときにあげた釣り糸には餌が無くなっていて、いつの間にか食べられてしまっていたらしい。

 一度くらいは魚を釣ってみたかったけれど、2人の釣る様子を見るだけでも凄く楽しかったからいいことにする。


 お魚は宰相一家に半分お礼としてお土産に、残りは私たちの晩ご飯になった。いつもにぎやかな夕食はさらににぎやかでおいしかった。ジークは始めに逃がした魚が一番大きかったと悔しがって、アルはそれを笑って聞き、餌が無くなったことに最後まで気がつかなかった私をなぐさめ、笑い、釣りの楽しい話はつきない。

 未来と逢未も魚をおそるおそる食べてくれた。お腹が苦いのと骨がのどにちくちくするのであまり好きじゃないみたい。丸ごとあげてみたけれど、今度は内蔵も骨もとってあげよう。


 それから、狩りの間に釣りに行くことも増えた。私もときどきついていく。

 2人が何匹も釣る間に一匹釣れるかつれないか。竿を引き上げるタイミングが難しくて餌をとられてしまうばかり。それでも充分楽しかった。

 たまたまついてきた銀ちゃんが水面を大きく揺らして、驚いて跳ねた魚を雪の上に吹き飛ばしたり、北狐宰相がしっぽをたらして魚釣りしている様子を微笑ましくのぞいたり。


 何度も食べるうち、未来と逢未も魚を好きになってくれた。

 

 冬はますます続き、風雪が強い日が続くようになった。

 寒さが厳しくなって湖に厚い氷がはり、魚釣りはできなくなった。

 読んでくださり、ありがとうございます。

 釣りは釣り堀くらいしかないのですが、好きです。釣りたてのニジマスをさばいてもらっていろりで塩焼きにしてもらい、かぶりつくと本当に美味しいです。

 実家に帰ったときに時々します。普段は骨がいやといって切り身の魚の方が好きな娘も自分の釣った魚を食べるのはちがうみたいで、喜んで食べてくれます。


 久しぶりなので前と文章がちがうかもしれません。なにか気付くことがありましたら教えてくださると助かります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ