第6章-6
謎の声
「よく言った。それでこそ”光を受け継ぐもの”だ!」
その空間に、突然老人のような声が響いた。
カイ・アスナ
「!?」
2人は身構える、しかしその部屋には2人以外誰もいない。
アスナ
「何、今の?」
カイ
「・・・」
謎の声
「ここだ」
折れた白銀の刃の柄から、ゆっくりの光の球のようなものが浮き上がる。
そして、カイの目前にまでやってくる。
カイ
「こ・・・これは・・・」
アスナ
「何なの・・・これ・・・?」
謎の声
「わしは・・・」
「わしはの・・・」
「・・・この剣の”魂”じゃ!」
カイ
「剣の・・・」
アスナ
「魂・・・?」
アスナは直感で悟った。
アスナ
(あ・・・あやしい・・・!)
カイ
「すげー!」
「剣なのに話せるのか!」
アスナ
(そしてこのバカ・・・)
トホホ、という表情を浮かべるアスナ。
カイ
「んで、その剣の魂が・・・どうしたんだよ?」
「あと、”光を受け継ぐものって・・・?」
剣の魂
「そうじゃの・・・」
「色々話したいこともあるが、時間がない」
「端的に言うとー」
「その剣は直せる!」
カイ
「!」
「そうなのか?」
剣の魂
「そうだ」
「そしてもう一つ、お前はこの剣の能力を最大限に活かせていない」
アスナ
(剣の・・・能力・・・)
カイ
「・・・」
「分かった、とにかくこの剣を直さなきゃいけないな・・・」
剣の魂
「そういうことだ」
「そして、そのための材質をお前は集めなくてはならない」
「”光に一族の里”でな・・・」
カイ
「材質・・・」
アスナ
「光の一族・・・」
アスナ
(かなり怪しいけど・・・)
(この”魂”がカイの剣から出てきたのは紛れも無い事実・・・)
「どうする、カイ?」
カイ
「・・・」
剣の魂
「カイ・・・」
「これは、お前に与えられた試練だ」
剣の魂
「材質の名前は・・・”咲かない花”」
カイ
「咲かない・・・花?」
アスナ
「不思議な名前ね」
「それに、剣を直すのに花が必要なの?」
剣の魂
「・・・いずれ分かる」
カイ
「・・・」
カイは、剣を折られたこと、そしてアスナを抱きしめ皆を守ることを決めた先ほどの会話を回想する。
カイ
「よくわかんねーけど」
「おれにできることは、なんでもやってやる!」
アスナ
「カイ・・・!」
アスナはふっと笑った。
アスナ
「分かった」
「行くしかないわね」
カイ
「ああ、行ってやるぜ」
「”光の一族の隠れ里”!
そこにどたん!と大きな音を立て、エリスが飛び込んでくる
エリス
「お待ちになって!」
「隠れて冒険だなんて!」
「抜け駆けは許しませんわ!」
アスナ
「エリス!」
「聞いてたの?」
エリス
「えっ・・・」
「えっとあの・・・」
「き・・・聞こえた!」
「そう、聞こえてきてしまったのですわ!」
「偶然、うっかり、たまたま、ですわ!」
カイ
「なんだ、なら仕方ねーな!」
アスナ
(絶対がっつり聞いてたわね・・・)
じと目でエリスを見つつ、アスナは小さく笑った。
ゆっくり、ヒュウも入ってくる
ヒュウ
「ったく、しょうがねーな」
「お前らだけで行ったらすぐお陀仏だろ?」
「仕方ねーから一緒に遊びに行ってやるよ」
カイ
「みんな・・・」
ヒュウ
「それによ・・・」
「もう分かってんだろ?」
カイ・アスナ・エリスが小さくうなずく
カイ
「ああ」
アスナ
「私たちは・・・」
エリス
「もっと強くならないといけませんわ・・・」
ヒュウ
「ああ・・・」
「試練だかなんだか知らねーが・・・」
ヒュウの胸には、ハギノとの最後の会話・そしてハギノの覚悟を込めた瞳が思い出されていた。
ヒュウ
「おれたちは・・・散っていったやつらに応えてやんねーといけねぇ」
全員の表情が引き締まる。
カイ
「ああ!」
「やってやろうぜ!!」
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