第6章-5
カイ
「アスナ・・・」
ギーガーに刀を折られ、その恐怖を、その”差”を思い出し、
その場に崩れ落ちるカイ。
アスナ
「カイ・・・」
カイ
「……おれは……弱い……!」
「……みんなを……守れない……」
アスナ
「……カイ……」
カイ
「おれは……おれは……」
「……どうしたら……」
慟哭が、静かに響く。
カイ
「……うっ……うっ……」
アスナ
「……カイ」
アスナはこれまでカイと過ごした戦いの日々と、
カイ・アスナの目の前でシキを失ったあの孤児院の夜を回想する。
アスナ
「......」
そっとアスナは目を閉じた。
そして息を吸ったアスナは、静かにカイ近づき、
そのままカイを正面から抱きしめた。
カイ
「ア、アスナ!?
な、何すんだよ……!」
(顔が赤くなる)
アスナ
「……カイ」
カイ
「……」
アスナ
「あんたはね……
もう、十分頑張ったよ」
カイ
「……!?」
アスナ
「あんたが、どんな思いで――
私や、エリス、ヒュウ……
みんなのために戦ってくれたか」
アスナ
「私は……ちゃんと、知ってる」
カイ
「……アスナ……」
アスナは、抱きしめたまま、
少しだけ声を震わせて続ける。
アスナ
「もう……十分」
「誰も、あんたを責めたりしない」
「……いっぱい……背負わせちゃって……」
「……ごめんね……」
カイ
「…………」
「……アスナ……」
その瞬間、
カイの中で――
消えかけていた“何か”に、火が灯る。
カイは、初めてボルジックと対峙した後の朝を思い出していた。
ーーー
【回想】
カイ
「……おれは……」
「……強くなる……!」
カイ
「もう……」
「誰にも、負けない……!」
カイ
「アスナのことも……」
「……守れるようになる……」
言葉を、探す。
カイ
「……だから……」
「……だから……」
アスナ
「……カイ……」
カイ
「……おれも……」
「……アスナを、失いたくない……」
ーーー
カイ
(……おれは……)
(……強くなりたかった……)
(……けど、それは……)
— シキを失った、あの瞬間の回想。
血に染まった地面。
遠くなっていくシキの背中。
カイ
(……おれは……弱い……)
(……だけど……!)
アスナが、寂しそうに微笑む表情。
無理に大人ぶった笑顔。
気丈に振る舞う、その瞳の奥。
そしてシキとの最後の会話、その最後の言葉が蘇る。
”アスナを、頼んだ”
カイ
(おれは......!)
(アスナを……そして......)
(みんなを.......守りたい……!!!)
(……それだけは……逃げたくない......)
(絶対に……)
(諦めたくないんだ……!)
カイの目に、闘志が戻る。
カイは、
今度は自分から――
アスナを、ぎゅっと抱きしめ返す。
アスナ
「……カイ……?」
カイ
「……ありがとう、アスナ」
ぐっと目に力が籠る。
カイ
「……おれは……まだ……」
カイ
「――戦える...!!」
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