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第6章-3

地に伏すハギノ。

そして真っ二つに折れた日本刀・”浮雲”。


ギーガーがそれを見下げる。


ギーガー

「・・・けっ」

退屈そうに歩き出すギーガー。


しかし、ハギノはギーガーの足に噛みつく。


ギーガー

「あ?」


ハギノ

「行かせ・・・ません・・・」

凛々しい女サムライのハギノにはあまりにも不似合いな、猛り狂った目でギーガーを睨む


ギーガーの、ヘビのような黄色い目にいら立ちが宿る。


——ドッ


ハギノをギーガーの大刀・竜巌骨が上から貫く。

返り血が、ギーガーの頬に1滴だけついた。


ギーガー

「・・・」

歩き出すギーガー。


その後ろで、雷鳴が轟く。

ズドオォオオン!!


焼けた大地に、

雷が落ちる。


振り返るギーガー。

そこに、バクライが立っていた。


バクライ

「……ハギノ.....」

もう動かなくなった拳を、強く握る。

いつもハゲノといじってバカにしていた記憶が蘇る。


バクライ

「ヒュウも、カイも……」

「みんな逃がしてくれたんだな……」


低く、言葉を紡いだ。


バクライ

「……お前は......」

「”漢”だぜ」


視線を上げる。


バクライ

「……あとは、任せろ」


ギーガーが、舌打ちする。


ギーガー

「次から次へと……」

「ダリいなお前ら……」


しかし、その目が、少しだけ光る。


ギーガー

「……だが……」

「その雷、お前がバクライか」

「お前は、楽しませてくれるんだろうな?」


雷が、走る。


バクライ

「楽しむだ?」

殺気をこめた目でギーガーを睨むバクライ。


バクライ

「二度とそのナメた口利けねえよう」

「首から吹き飛ばしてやるよ・・・」

「覚悟しろよ?」


ギーガー

「へへっ・・・」

「そうこなくっちゃな!」

ギーガーが黄色い目で獰猛に笑った。


挿絵(By みてみん)


◇◇◇◇◇

対峙するバクライとギーガー。


バクライの雷をまとった美しい黒い日本刀・”冥電”、とギーガーの無骨な大刀・”竜巌骨”が幾度となくぶつかりあう。


バキィイン!!バキィイン!!と音を立て、斬撃がぶつかり合う。


ギーガー

「へへっ・・・これはどうだ?」

「おらよ!」


【土術・砕牙断!!】


バクライ

「・・・!!」


【雷術・雷壊大穿!!】


ギーガーの竜巌骨とバクライの雷を帯びた斬撃が激突する。

バキィイイイイインン!と音が響く。


両者の大きな斬撃の衝撃で、地面がボコォオオオオン!と音を立て吹き飛ぶ。

空が割れる。


その後も、220センチの竜人族:ギーガーと、人間としては大柄な190センチ近いバクライの激しい激突が続く。


ギーガー

「ハハハ!!」

「そうだ、もっとだ!!」

「もっとおれを楽しませてみせろ!!」


バクライ

「うるせぇな...」

「気が散るんだよ腐れオオトカゲが!」


だが、決着はつかない。


突然ギーガーの動きが、止まる。


ギーガー

「……チッ」


遠くを見る。

何か、赤い煙のようなものが、黒い空に上がっていた。


ギーガー

(”7大団長、全員集合しろ”だと?)

「おいおい、そりゃねーぜ・・・」

「…今からがいいとこだってのによぉ...」


背を向ける。


ギーガー

「……今日は、ここまでだ」


バクライ

「待てよ!」


ギーガー

「喚くんじゃねーよ」

「また今度な」


バクライ

「てめぇ!」

「逃げんのか、クソトカゲ野郎!」


次の瞬間、その場の風が止まる。

そしてブオオオオオと音を立て、ギーガーが怒気を放つ。


怒気に満ちた、これまでにない殺気を込めたオーラを発する。

ギーガーは鋭くバクライを睨む。


黄色いヘビのような目が、赤黒い狂暴な光をまとっているのがバクライに分かった。


バクライ

(こいつ・・・)


ギーガー

「あんまりイキがるなよ・・・?」

「安心しろ」

「次会った時、ちゃんと殺してやるからよ」


次の瞬間、

巨大な砂嵐が舞う。


バクライ

「待てよ!」

「クソッ!!」


突然フッと砂嵐が明ける。

そこにギーガーの姿はなかった。


残されたのは、

焦げた地面と、

静かな雷鳴だけだった。

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