第6章-1
新章突入です!
ギーガーのイラストを末尾に貼っております!
帝国最高戦力・7大団長の1人:竜人族ギーガーの一撃一撃は、
大地を砕くように重かった。
カイは、ただ受けるしかない。
カイ
「ハァ……ハァ……」
肩で息をする。
剣を握る腕が、痺れていた。
ギーガー
「なんだよ」
「せっかく、城が攻められてるって面白れぇこと聞いて遊びに来たのによ」
ギーガーは小さくため息を吐き、肩に大刀・竜巌骨を担いだままカイを見た。
ギーガー
(こんな奴らがサクヤを・・・)
「けっ・・・」
カイだけを見ているギーガーに、ヒュウが氷の魔法(氷の塊)を放つ。
ヒュウ
(食らいやがれ・・・!)
しかしー
ギーガーがわずかに身体に魔力を込める。
ギーガーの後ろで、氷の魔法が蒸発していく。
ジュワッと小さな音を立て、背中越しに魔法をかき消すギーガー。
ギーガー
「なんだそのカスみてぇな魔法はよ」
「・・・なめてんのか?」
小さく後ろのヒュウに目を向ける。
獲物を捉える黄色い目が、ヒュウの視線と合う。
ヒュウ
(ちっ・・・)
その隙に斬りかかるカイ。
カイ
「おらああっ!」
ギーガーはヒュウを向いたまま、そのカイの首を掴む。
カイ
「ぐっ・・・」
カイは何とかギーガーの握りこぶしを解こうとするが、
その拳はびくともしなかった。
アスナ
「カイ!」
エリス
「カイ・・・!」
エリスは残りの魔力を絞り出し、巨大な風の刃を作り出す。
エリス
「カイを・・・」
「放しなさい!」
ブオオオッ!と音を立てギーガーに風の刃を発射する。
ギーガー
「・・・ふん」
ギーガーは避けない。
ガキィイイイイン!!と音と共に、風の刃がギーガーの肌に弾かれる。
エリス
「!」
「そんな・・・!」
(鱗の肌で・・・刃が消えた・・・?)
ヒュウ
(鎧かよ・・・)
アスナ
「くっ!」
カイを掴むギーガーに向け駆け出すアスナ。
ギーガーは横目でアスナを見る。
次の瞬間ー
ブオッ!と音を立て、小さな砂嵐がアスナを吹き飛ばす。
アスナ
「うあっ・・・!」
カイ
「アスナ・・・!」
ギーガー
「んだよ、4人もいて何にもねぇのか」
ギーガーはそのままカイを軽く投げ飛ばす。
その軽い仕草とは裏腹に、カイが地面にドゴォン!!と大きな音を立てて投げ飛ばされる。
カイ
「ぐはっ・・・!」
「ハァ・・・ハァ・・・」
カイはサクヤの発言を思い出していた。
ーーー
サクヤ
「気をつけろ・・・」
「奴は・・・ギーガーは・・・”人間じゃない”」
「生き物としての、”強さが違う”・・・」
ーーー
カイ
(くそ……)
遊ばれている。
それは、カイ自身が一番分かっていた。
―だが。
視界の端に、
アスナ、エリス、ヒュウの姿が映る。
全員、サクヤとの激闘で息も絶え絶えだった。
カイ
(……おれが)
(おれが、やるしかないんだ!!)
何とか立ち上がり、剣を構える。
ギーガー
「ほう・・・」
「根性だけはあるな・・・!」
カイの剣が、微かに震えた。
思いに呼応するように、淡い光を纏う。
ギーガーは剣と、
カイのまっすぐな目を見る。
ギーガー
「・・・おい、ガキ」
ギーガーの低い声。
カイ
「……?」
ギーガー
「・・・」
「お前が戦う理由は?」
カイは、一瞬戸惑ったが、息を整え、答えた。
カイ
「……おれたちの、大事な人を殺された」
「お前たち帝国に」
「もう……同じように、傷つけられる人を見たくない」
一瞬の沈黙。
ギーガー
「……」
「……そうか」
ギーガーは、鼻で笑った。
ギーガー
「クソくだらねえ」
竜巌骨を気だるげに構えるギーガー。
そして、その竜巌骨を握る右手に力が込められる。
ギーガー
「もういいや」
「今、殺してやるよ」
カイ
「……ギリッ」
怒りが込み上げる。
カイは、剣を握り直す。
カイ
「理解する気もねえなら・・・」
「聞くんじゃねーよ!」
カイは剣を、正面に構える。
カイ
「お前は――」
「おれが止める!」
「いくぞ、ギーガー!!」
二人の距離が、
一瞬で消えた。
バキィイイイインンンー!!!
凄まじい衝撃。
世界から、音が消える。
真っ黒な背景の中に、輝く”カイの剣”が粉々に砕ける。
無音の中で――
カイの目は、はっきりと捉えていた。
砕け散る、”相棒”を。
ギーガー
「あばよ」
ギーガーが、静かに竜巌骨を振り下ろした。
◇◇◇◇◇
キャライラスト
ギーガー
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