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第5章-9

コルウスはさらに足元にも、高速で走る鳥を出現し、

カイに体当たりさせる。


カイ

「ぐあっ!」


カイはなんとか立ち上がる。


カイ

(くそっ・・・)


その瞬間、走る鳥たちが凍りつく。

パキキキッと音がなる。


カイ

「!?」


カイは後ろを見ると、キセルを咥え立ち上がったヒュウがいた。


ヒュウ

「ハァ・・・ハァ・・・」

「カイ…」

「わりぃ、待たせたな」


カイ

「ヒュウ!」

ふーっと煙を吐くヒュウ


ヒュウ

「こいつは・・・」

「おれが討たなきゃならねえ・・・」

目の前の死体の陽菜、そして生前に陽菜がくれたお守りを見て、ぎゅっと握ったヒュウ。


ヒュウ

「力を貸してくれ」


カイはにっと笑う


カイ

「ああ、最初からそのつもりだ!」

「いくぞ!!ヒュウ!」


コルウス

「へっ・・・」

「分かってねえなあ?」

「お前らはこの見えない攻撃で・・・」

「這いつくばって死ぬんだよ!」

さらに見えない嘴攻撃が激しさを増す。


ヒュウ

「カイ・・・」

「わりぃが、時間を稼いでくれ・・・」


カイ

「分かった!」


カイは集中した様子で、曇天カラの攻撃に備える。


コルウス

「へっ・・・」

「今更そんなサムライが何の役に立つってんだ!」

「やっちまえ、お前ら!」


コルウスは鳥たちに指示を出す。

ガキィンガキィンと、カラスや地上の鳥から攻撃を捌くカイ。


コルウス

「へっ!」

「ガキが粋がりやがって・・・」

「おれに攻撃することもできやしねえ!」

「へーっへへへ」


カイ

(ヒュウ・・・)

(頼んだぜ・・・)


カイの後ろで、ヒュウが魔力を込める。


ヒュウ

「いくぜ・・・」


ヒュウが天に手を掲げ、雨を降らせる。


【水術・天泪てんるい!!】


空域の自由を制限し、カラスたちの羽が重くなる。


カイ

(遅くなった・・・!)


コルウス

「ほう・・・お前も曇天を活かしたか!」

「だが・・・無駄だ!」

「おれの”兵隊”がいるからよぉ!」

「行け、お前ら!」


死体の一番隊兵が襲いかかる。


一番隊兵

「あうう・・・」


カイ

「くそ・・・」

攻撃をためらうカイ。

しかし、ヒュウが鋭く叫ぶ。


ヒュウ

「カイ、ためらうな!」


カイ

「!」


ヒュウ

「こいつらは・・・」

「もう・・・」

一緒に過ごした日々を回想する。

語らい、笑いあった時間が胸をよぎった。


ヒュウ

「早く・・・」

「眠らせてやらねえと・・・」


カイは一瞬ぐっと息を飲みヒュウを見た。

そして、ヒュウの悲痛だが覚悟を決めた表情から、想いを受け取る。


カイ

「分かった」

「おれが・・・止める!」


大刀化するカイの剣。

その時ー


その剣が放つ大きな光の柱が、天を突いた。


ヒュウ

「これは・・・」

(光が・・・雨雲に当たったのか・・・)


コルウス

(な・・・なんだ・・・?)


ヒュウの降らせた雨粒に、剣の大きな光が当たった。

そして、曇天の上に、大きな虹がかかった。


それは、大きく鮮やかな虹だった。

ヒュウは、その光景に思わず息を呑んだ。


ヒュウ

(こんな・・・虹が・・・)

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