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第5章-7

しかしー

その風の塊はサナギ目掛け、ジグザグで猛烈なスピードでエリスを運ぶ。


ビュッ!!という音と共にサナギとの距離を詰めるエリス。


エリス

「ちょっと…止まってー!」


サナギ

「なんですって・・・?」

風に翻弄される。


サナギ

(で、でたらめな動きで・・・)

(速い・・・!)


風の超スピードでサナギの懐に入る。


サナギ

「なっ・・・!」

(しまった・・・!)


エリス

「もう・・・やるしかないですわ!」

若干目が回っているエリスは、落ち着いて気合いを入れた。


エリス

「う~~~」

エリスは拳を構える。


エリス

「食らいなさい!!」

「必殺!!タケマルパンチ!!」


アスナ

(タケマルって・・・)

(あの虫・・・?)

アスナはエリスが名付けた虫(アスナに撃退された:前章参照)を思い出していた。


サナギ

「なっ・・・!」


しかしー





放たれたのは・・・



ただのパンチ、しかもサナギには届いてない。

全員の刻が止まる。





アスナ

「え・・・?」





サナギ

「・・・!?」


ーーー


乗っていた風からバランスを崩し転倒するエリス


エリス

「きゃっ」

ドサッと顔から前に倒れる。


アスナ

(まずい・・・!)

(エリスの運動神経は・・・)

(”壊滅的”・・・!)


サナギ

(不発!?)

「くくっ残念ね!」

「これで・・・」

「終わりっ!!」

サナギがエリスに羽の刃を振りかぶる


アスナ

「エリス!!」


エリス

「っ!?」


サナギはとてつもない悪寒を感じる。


サナギ

「!?」

(何・・・?)


突然、ぶおおおおおっと音がなる。

次の瞬間、パンチの先にあった小さな台風が一気に拡散し、サナギを引き裂く。


サナギ

「あああああああああああ!!!」


風がサナギの体内を裂く。

バリィイン!と音を立て、再生能力の核を破壊した。


ドサッ

力なく全身から出血するサナギ。


アスナ

(すごい、すごいんだけど・・・)

(タケマルパンチって・・・何・・・その技名・・・)


アスナは戦いの緊張がほぐれ、へなへなと膝をついた。


アスナ

「!」

前から倒れたときの衝撃で鼻血を出すエリスに気づき、駆け寄るアスナ。


アスナ

「エリス」


エリス

「?」

アスナは、エリスの鼻を優しく拭く


アスナが小声で言う。

「……ありがと」


エリスは一瞬だけフリーズした。


エリス

「アスナ・・・」

「いえ・・・」

「……どういたしましてですわ」

少し照れる。

直後、ハッと気づくエリス


エリス

「ちょっとアスナ!」

「今日は私がお姉ちゃんですのよ!」

「そういうのは今日はめっ!ですわ!」


アスナ

「え!」

「心配してあげたのに何よそれ!

「まったく、また無茶な戦い方して・・・!」


エリス

「ま!アスナに言われたくないですわ!」


アスナ

「え!」

「何よそれー!」


アスナ・エリス

「ふふっ」


暖かい優しい風がそっと吹いた。


挿絵(By みてみん)

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