第5章-2
アスランのいる南門に攻め入るバクライ(本隊)・ハギノ(2番隊)
カイ・アスナ・エリス(3番隊)とヒュウ(1番隊)は北門サクヤの撃破へ。
サムライ国軍はついに赫灼城に攻め込む。
バクライ
「よしお前ら」
「こっからが本戦だ!」
バクライはにっと笑った。
バクライ
「おれからの命令は2つだけだ!」
「生きろ!!
「勝て!!」
カイ・アスナ・エリス・ヒュウ・そしてハギノは小さく頷いた。
アスナは、エリスに小さく目配せした。
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【回想】
出陣前、エリスに話しかけるアスナ
アスナ
「エリス、あんたバルガンの砦の時が、魔法で戦うの初めてって言ったわよね?」
エリス
「そうでしたわ」
アスナ
「風の魔法自体は使ったことあったんでしょ?」
エリス
「実は一度だけ、お父様に教わった時があって」
「けど・・・その時の記憶がほとんどないのです」
アスナ「え?」
エリス
「よく分からないのですが、私は気づいたら入院していて・・・」
「私の村にあった大きな削られた岩を覚えております?」
アスナ
「あ、あったわね。確かに」
(3章の1話で、村の特徴であった”変わったくぼみの大岩”を回想するアスナ。
エリス
「そのお父様と修行した日から、あの岩の傷ができていましたの」
アスナ
「・・・」
エリス
「その後、お父様からは”風の魔法のことは忘れて、医療魔法だけ頑張りなさい”って」
「私、才能がなくて見限られてしまったのかと思いまして」
「それ以降、この前の戦いまで風の魔法を使っていなかったですわ」
アスナ
「・・・」
「分かったわ」
アスナはエリスをじっと見つめる
アスナ
「エリス」
エリス
「ど、どうしましたの?」
アスナ
「あなたはこれからも私たちの仲間よ」
エリス
「!?」
「ア、アスナ!?」
「どうしましたの?」(不安になるエリス
アスナ
「だから、約束してほしいの・・・」
「もう風の魔法は、”全力で使わない”ことを」
エリス
「え・・・?」
アスナ
「戦いの中で、風の魔法を使わないといけない場面は来ると思う」
「けどその時、全力で魔法を撃つことはやめて」
エリス
「でも・・・」
アスナ
「分かった?」
エリス
「!?」
真剣なアスナの表情に反論できないエリス。
アスナ
「・・・ごめんね」
エリス
「・・・でも私・・・」
「もし自分の力が残っているのに使わず、それで誰かを失ってしまったら・・・」
「そんなの、耐えられませんの!」
涙ぐむエリス。
失った父の姿が、思い起こされていた。
アスナ
「!?」
「エリス・・・」
エリスのこれまでの心情を察したアスナ。
ぐっと息を呑んだ。
アスナ
「分かった」
「もう一つ約束して」
エリス
「?」
アスナ
「”自分の命を懸けてでも、誰かを守りたいとき”」
エリス
「・・・」
アスナ
「その時だけ、全力で魔法を使って」
「その守りたい人と、あなた自身のためにね」
エリス
「アスナ・・・分かりましたわ」
「ありがとう、アスナ」
===
北門に攻め込む1番隊・3番隊。
進むカイ・アスナ・エリス・ヒュウの前に、
サクヤ軍幹部の鳥使いコルウス(細身の顔色の悪い男)と、虫使いサナギ(小柄な女性)が道を阻む。
サナギ
「止まりなさい」
「サムライ国軍」
サナギは静かに話した。
サナギ
「まさか昨日の夜からこんな速攻を仕掛けてくるとは思わなかったけど・・・」
「このまますんなりサクヤ様のところに辿り着けると思ってないわよね?」
ヒュウ
「さあて・・・」
「奴さんたちがお見えだ」
コルウス
「あのサムライ・・・確か・・・」
ヒュウを見て何かにコルウスは気づいた。
コルウス
「こりゃおもしれえ、へーっへへへ」
サナギ
「なによコルウス、楽しそうね」
コルウス
「あのサムライはおれの獲物だ」
サナギ
「何よ、あのサムライが一番おもしろそうなのに!」
コルウス
「あとは・・・そうだな・・・」
「あのしょぼそうなチビでいいや」
サナギ
「ちょっと待ってよ!」
「私の相手があんな弱そうな女2人なんて・・・」
カイ
「誰がチビだ!」
エリス
「ちょっと、いくらアスナが弱そうだからって散々な言い方ですわ!」
アスナ
「え、弱そうなのはエリスの方でしょー!」
ヒュウは小さく震えながらキセルを咥える
カイ
「やってやろうぜ!」
エリス
「後悔させてあげますわ!」
アスナ
「ちょっと待って・・・あの女は・・・」
エリス
「行きますわよ!アスナ!」
アスナ
「あ・・・ちょっと・・・!」
サナギに向かうアスナとエリス
サナギ
「はーあ」
「全然テンションが上がらないんだけど・・・」
けだるそうに話す
サナギ
「まあいいわ」
「サムライ国との戦いも飽きてたところだし・・・」
「こんなのが意気揚々と挑んでくるんなんてこの戦いももう終わりね」
「さっさと殺して終戦といきましょ」
コルウス
「へーっへへへ」
「せめて少しはおれのことを楽しませてから死んでくれよ!?」
「へーっへへへ」
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