第5章-1
サガリ砦を脱出し、無事合流する1・2・3番隊。
各隊は、生還を喜び、涙していた。
ヒュウはその様子を見ながら、小さくキセルの煙を吐いた。
ボロボロのハギノが、そのヒュウに話しかける。
ハギノ
「ヒュウ殿・・・」
「ありがとうございます・・・」
「あなたが助けてくれなかったら・・・」
ヒュウはキセルを咥えながら小さくハギノを見た。
ヒュウ
「・・・」
ハギノ
「ヒュウ殿?」
ヒュウ
「・・・」
「おれじゃねえ・・・」
「あいつらだ」
目線の先に、カイと寝ているアスナとエリスがいた。
ハギノ
「え・・・?」
ヒュウ
「・・・」
「おれは、軍全体のリスクを考えてお前たち2番隊を助けないことも考えた」
「だが・・・あいつらは・・・」
ふーっと煙を吐いた。
ヒュウ
「感謝しなきゃな・・・」
「お前も・・・」
「おれも・・・」
ハギノ
「ヒュウ殿・・・」
そこにバクライが到着する。
バクライ
「お前ら生きてたか!」
「ガハハ!全員無事で何よりだ!」
カイ
「バクライ!」
「あたりめーだ!」
「おれたちは強えからな!」
カイはヒュウの方を見て言った。
ヒュウ
「・・・」
バクライ
「なんだ!ヒュウ!」
「ずいぶん仲良くなったんだな!」
「ガハハ!」
カイ
「ああ!」
「もうおれたちは仲間だからな!!」
「な、ヒュウ?」
ヒュウ
「!?」
「お、おい・・・」
気恥ずかしそうにするヒュウ。
バクライ
「ガハハ!!」
「よかったじゃねーの、ヒュウ!」
ヒュウ
「おいバクライ!」
バクライ
「ガハハハハ!!」
カイ
「ガハハハ!」
ヒュウ
「ったく・・・」
ふーっとキセルの煙を吐いた。
ヒュウ
「うるせぇな」
「黙れバカ共」
やれやれ、といった様子でキセルを咥える
バクライとカイの笑い声が響いていた。
ーーー
少しの回復の後、超獣軍大ボス2人、アスラン・サクヤ撃破に向け準備を進めるサムライ国軍。
カイ
「アスナ、毒はもう大丈夫か?」
「エリスも寝てなくていいのか?」
アスナ
「うん、何とかね」
「解毒は済んだし、回復魔法もかけてもらったし・・・」
エリス
「サムライ国軍の医療班はすごいですわ!」
ハギノ
「サムライ国はあまり資源などは恵まれていませんが」
「その分、山々があって薬草も取りやすいし、医療の研究は進んでいるのです」
「この軍の医療班が充実しているのも、ミコト様のおかげです」
カイ
「ミコトが?」
ハギノ
「ミコト様ご自身もよく軍略や医療を勉強なされていて、バクライ殿の要望などから医療へのバックアップを増やしてくださっているのですよ」
「ご自身は謙遜なさいますが・・・」
アスナ
「なるほど・・・」
(飾りの姫、なんて自分では言っていたけど・・・)
カイ
「すげーな!」
「おれも勉強しようかな!イリョウ!」
カイは目を輝かせて言った。
アスナ
「いいのよカイ、お勉強は頑張らなくて」
「向き不向きがあるんだから」
カイ
「そっか・・・」
「ってどういう意味だよ!」
アスナ
「なんでもなーい!」
エリス
「ふふっ」
一方、バクライとヒュウは軍略室で話をしていた。
バクライ
「ヒュウ!お前ら1番隊は当初の予定から変更」
「3番隊と一緒に北門でサクヤを打ち取れ」
ヒュウ
「変更?」
バクライはにっと笑った。
バクライ
「今のお前なら、あいつらと連携できる」
カイたちを横目で見るバクライ。
バクライ
「お前らは、”仲間”だからよ」
「ガハハハハ!」
ヒュウ
「けっ」
「だりぃことしてくれるぜ」
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