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第4章-15

アスナ

「ハァ・・・ハァ・・・」

(まずいわね・・・確かに、この毒は早い・・・)

体の痺れが急速に進んでいくことを、鮮明にアスナは感じていた。


セルケ

「くくく」

「どうだ、神に祈るなら楽に殺してやってもいい」


アスナ

「……しつこいわね」


セルケ

「まだ神を信じぬか?」


アスナ

「そんな神がいるなら」


毒で膝をつきながら。


アスナ

「帝国が奪った…私たちの大事な人を」


アスナ

「生き返らせてみて?」

(焼ける孤児院の中に消えるシキを回想)


セルケ

「……!」


アスナ

「そうしたら祈ってあげる」


一瞬、視線が遠くなる。


アスナ

「ほら」


アスナ

「早く」


アスナ

「早くやってみなさいよ!!」


静寂。

2人の間を吹いていた風が止んだ。


アスナは寂しそうに笑う。


アスナ

「ほら......」

「……できないじゃない」


目が冷たく戻る。


アスナ

「そんなこともできないケチ臭い神なんて」


アスナ

「私は絶対、信じない!」


セルケ

「もういい、お前はー」

「苦しませて殺す!」


ーーー

アスナ

(まずい・・・毒が回ってきた・・・)

(気を抜いたら倒れそう・・・)


セルケ

「ほら、もう避ける元気もないか!?」

「食らえ!!」

顔を目掛けた攻撃をアスナは少しだけ外し、肩で受ける


バシャア!とサソリ男の顔面に返り血がかかる

セルケ

「!?」

(避けない・・・だと?)

(まずい、血で視界が・・・)


アスナ

「捕まえた・・・♡」

肩に刺さった毒の尾を掴むアスナ

血が滴りながら、にやりと笑う。勝負師の鋭い光を宿した目で。


セルケ「こいつ・・・!」

(返り血を使っておれを捕まえる隙を作るとは・・・)


アスナ

「さっきあんた、”苦しませて殺す”って息巻いてたわよね?」

「今の攻撃を本気で打ってこないことは明白」

「致命傷にならない程度の攻撃なら、どうってことないわ」

「避けても動いたら毒は回っちゃうしね」


セルケ

(こいつ・・・ここまで読んで・・・)


セルケ

「だが貴様の攻撃はおれの装甲には効かない!」

「残念だったな!」


アスナ

「一点に集中した熱線なら」「どうかしら?」


セルケ

「なんだと?」


アスナ

「身体を動かすためには、全部の箇所を装甲ってわけにはいかないものね?」

「例えば」

「装甲の裏側・・・とかね?」


セルケ

「お、おい・・・」「や、やめろ!」


アスナ

「この距離なら狙える・・・!」


腕に炎を宿すアスナ


【火術・焼貫穿しょうかんせん!!】


装甲の隙間を、正面からの熱線で貫く!!


セルケ「ぐわあああああ!!!!」

ーーー


セルケ

「ば…馬鹿な…」

「この俺が…こんな小娘に…」


セルケ

「神は…なぜ…」

「祈りが足りなかったというのか・・・」


アスナ

「祈りの量じゃないと思うけど?」


セルケ

「!?」


アスナ

「私が……何回祈ったと思ってんのよ」


目を伏せる。


アスナ

「―あの日が、嘘でありますようにって」

「3人で笑ってた時間に、戻れますようにって」


顔を上げる。

目が冷たい。


アスナ

「でもね」


「祈ってどうにかなるほど、世の中甘くないみたいよ?」


セルケ

「ぐ・・・ぐはっ・・・」

倒れる


アスナ

「……あんたの神様に伝えときなさいよ」

「私の大事な仲間を奪おうとしたら...」

先ほど命を懸けて風魔法を撃ったエリス、そして今戦っているカイ・ヒュウを想うアスナ。


アスナ

「そのナメた横っ面ひっぱ叩いて」

「泣かせてあげるってね」

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