第4章-13
ガナトス
「ふん・・・」
「諦めの悪さで我を倒せるものなら・・・」
「やってみせろ!」
「無駄だろうがな!ハハハ!」
カイ
「ちっ・・・」
(距離をとっていると吸い込まれる……)
拳を握る。
カイ
(こっちから攻めても押し返される……)
視線を上げる。
ガナトスの鼻孔。
膨らみ、収縮する。
カイ
(どうする――)
ガナトス
「楽にしてやろう」
ガナトスが、息を吸い込む。
空気が、一点に集束する。
その瞬間。
カイ
「!」
「そうだ・・・!」
何かを思いついたカイ。
カイは踏ん張るのをやめる。
逆に、身を任せる。
―加速し、吸引に乗る。
一直線にガナトスに近づく。
剣を構える。
カイ
「行くぜ・・・!!」
ガナトス
(吸い込みを利用したか)
ガナトスは、即座に魔法を切り替える。
突風を吐き出す。
ブオオオオオオと音を立て、風がカイに放たれる。
ガナトス
(正面から、叩き潰す)
(それだけだ)
だが――
カイ
「――今だ!!」剣を振る。
【無術・飛月!!】
―飛ぶ斬撃。
キィイイン!!と音が鳴る。
風と斬撃が、空中で衝突する。
押し合う。空間が、歪む。
ガナトス
(風と斬撃をぶつけた・・・だと・・・?)
風と飛ぶ斬撃の作り出す、一瞬の“均衡”。
その瞬間。
カイが踏み込む。
その均衡に剣を刺し、足場にする。
―跳躍し、空中で飛ぶー!!
ガナトス
「……なに!?」
カイ
「お前の風、借りるぜ!」
ガナトス
「なんだと!?」
ガナトス
(風に斬撃をぶつけ足場に・・・)
(そんなことを思いついても実行するなんて・・・)
(馬鹿げたガキだ・・・!!
カイはガナトスの間合いに入る。
カイ
「もらったぜ!」
ガナトス
(このチビ・・・)
(小さい分・・・速いな・・・)
ガナトス
「ふん、だが貴様の剣は我が皮膚に傷をつけることすらできん!」
(馬鹿正直に力でおれと勝負するとは・・・愚かな!)
しかし、カイは構わず剣を構える。
カイ
「お前を倒して・・・」
「ここを抜ける!」
「誰も…死なせない!!」
ぶおおおおおおっと音を立て、カイの剣が大刀に姿を変える。
光のオーラが剣に纏われていく。
ガナトス
(なんだ・・・このオーラ・・・)
カイ
「おらああ!!」
【無術・大裂光斬!!】
ガナトスの硬い皮膚が一瞬、ガキィン!と剣を弾く。
ガナトス
「ふん・・・残念だったな!」
しかし、カイの剣は負けずにガナトスの皮膚を裂いていく。
ガナトス
「!?」
(バカな・・・なぜここまでの威力が・・・)
ズザアアアアアン!!
ゾウの硬い皮膚を叩き切る
ガナトス
「がはっ」
吹き飛ばされるガナトス。
ガナトス
「な、なぜ我が・・・」
カイ
「言っただろ?」
「おれが勝つって決めたからだよ」
カイはニッと笑った。
ーーー
一方、サソリ男セルケと睨み合うアスナ。
セルケ
「お前は今から」
「おれが無惨に殺す」
セルケの目の奥がギロリと光った。
セルケ
「せいぜい、神に祈れ」
アスナ
「神?」
ふっと笑うアスナ。
セルケ
「何がおかしい」
アスナ
「神なんて・・・バカバカしい」
セルケ
「何だと・・・?」
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