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第4章-12

その頃ー


サソリ男・セルケと対峙するアスナ

セルケの背後で、サソリの尾がゆらゆらと揺れる。


セルケ

「おれの相手はお前か・・・」

「かわいそうに・・・」

「自分の運命を呪うがいい」


アスナ

「案じてくれるの?」

「慈悲深いのね」


セルケ

「・・・」

「相手がおれで、お前も相当運が悪そうだが」

「もっとかわいそうなのはあのガキだな」

「あんなチビがガナトス-カイと対峙するゾウの大男-を突破するだと?」「バカげている」


アスナはにやりと笑う


アスナ

「カイはね」

「すっごいバカなの」


セルケ

「・・・」

「は?」


アスナ

「私よりもちっちゃいし」

「そして、救いようのないくらい素直なやつなの」


セルケ

「なんだそれは!」

「そんなやつがガナトスと戦うとは・・・正気の沙汰ではない」


アスナ

「ふふっ」


セルケ

「なんだ?」

「勝ち目がなさすぎて気でも狂ったか?」


アスナは自信を持った目で小さく笑みを浮かべる


アスナ

「だから・・・」

「そんなやつだから・・・」

「あいつが勝つのよ!!」


ーーー

ゾウ男・ガナトスと対峙するカイ


カイ

「おれが勝つ!」

「勝って・・・ここは抜けさせてもらうぜ!」


ガナトス

「愚か者め」

「貴様のように弱き存在が」

「我に勝つ道理などない」


カイ

「道理なんか知らねーよ」

「おれが勝つって決めたんだ!」


挿絵(By みてみん)

◇◇◇◇◇


ガナトスが立つ。

巨大な鼻孔が、ゆっくりと膨らむ。


ガナトス

「まあいい」

「せいぜい、我の前に立ったことを後悔するがいい」

カイは剣を構え、一気に踏み込む。


しかし、ガナトスは強烈な突風を鼻から放つ。

【風術・大象衝波たいぞうしょうは!!】


―ゴォォォォォン!!


空気が、壁になる。

見えない衝撃。

カイの身体が弾かれる。

地面を削りながら、吹き飛んだ。


カイ

「ぐあっ!」

カイは一呼吸置く。


カイ

「ぐっ……!」

(突風!?)


カイは何とか体勢を立て直す。


カイ

「くそ……」

(風が強すぎて、刀が届かねぇ……!)

ガナトス

「無駄だ」

風が、さらに強まる。


カイ、歯を食いしばる。

再び、踏み込もうとした―その瞬間。


風向きが、変わる。

吸い込まれる。

―ズズズズッ……


足が、勝手に滑る。


カイ

「なっ……!?」


ガナトス

「逃がさん」


【風術・万象吸引!!】


空気が、引きずり込む。

身体が、前へ引かれる。


その先―ガナトスが戦鎚を構える。

振り上げられる。


ガナトス

「終わりだ」

―ドォォォォン!!


カイ

「ぐはっ……!」

吹き飛ぶ。

地面を転がる。


ガナトス

「ふん」

「ギリギリで剣で受けたか・・・」

「だが・・・」


見下ろす。


ガナトス

「他愛のない」

カイがゆっくりと立ち上がる。


カイ

「ハァ・・・ハァ・・・」

息が荒い。

ーーー


ガナトス

「終わりだ」

【風術・烈空葬!!】


カイ

(やべぇっ・・・!)

ブオオオオオオン!!と音を立て、

風の塊がカイ目掛け飛んでくる。


カイは何とか笑う膝で立ち上がり、

転がるようにして風の弾丸を回避する。


カイ

「ハァ・・・ハァ・・・」


ガナトス

「ふん・・・」

「哀れだな・・・」


カイ

「うるせぇよ・・・!」


ガナトスは大きな身体でカイを冷めた目で見る。


ガナトス

「結局、貴様のような弱き者には何も変えられん」


カイ

「あぁ?」


ガナトス

「サムライ国もこんな子供を前線に立たせるなど」

「かわいそうになってくるな!」

「ハハハ!」


カイ

「てめぇ・・・!」


ガナトス

「言っただろう?」

「勝てる道理がないと!」

「貴様も、貴様の連れも!」

「炎の中の奴らも!」

「生き残る道などない!」


カイはギリっと歯ぎしりをする。


ガナトス

「皆この砦で散って行くのだ!」

「ハハハ!!」


静かに、カイの目線がガナトスを捉える。


カイ

「・・・すんなよ?」


ガナトス

「何?」

カイは鋭くガナトスを睨んだ。


カイ

「後悔すんなよ?」

「おれは・・・」

「諦めがわりぃんだ・・・!!」

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