表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/49

第4章-8

カイ

「!?」

「諦める!?」

「何ってんだお前!」


ヒュウ

「あ?」

「このまま体勢が整ってないで、1番隊と3番隊まで失ったらどうするつもりだ!?」


カイ

「まだ2番隊は落ちてねえんだろ?」

「助けられる可能性があるのに諦めるなんて・・・」

「お前は仲間を何だと思ってんだ!!」


アスナ

「カイ・・・」


ヒュウ

「戦いも分かってねえガキが・・・」

「おれたち1番隊が来なかったら、お前らだって脱出できなかったんだぞ?」

「理想論だけは立派なものをお持ちで、さぞ楽しい頭ん中してんだろうな?」


カイ

「てめぇ!!」


エリス

「おやめになって2人とも!」


アスナ

「言いたいことは分かるけど・・・」

「2人で歪みあっても仕方ないでしょう?」


カイ

「・・・」

カイは静かに下を向き、拳を握りしめる。


カイ

「おれは・・・諦めたくねえ・・・」


ヒュウ

「!?」

「だからー」


カイ

「みんな・・・失って・・・」

「後悔するんだ・・・」


ヒュウ

「!?」


カイ

「シキも・・・団長も・・・」

「もう助けられない状況になってから・・・」

「ああしておけば・・・こうしておけばって・・・」


カイは目に涙が浮かんできている。


アスナ

「カイ・・・」


カイ

「もう・・・失って後悔するのは・・・」

「嫌なんだ・・・」

「可能性が低いだとか、戦略とか・・・」

「そんなことはどうでもいい・・・」


ヒュウ

「・・・」


カイ

「大切な誰かを失ってから後悔するような・・・」

「そんな選択なんて・・・」

「もうしたくないんだ!!!」


カイの必死の叫びがこだまする。


ヒュウの瞳が揺れる。

かつて失った仲間たちを回想するヒュウ


ヒュウ

(おれは・・・)

(おれは・・・)

胸にぶら下がるお守りが、不思議な熱を帯びたのがヒュウには分かった。


エリス

「カイ」

「立って」


カイ「!?」


エリス

「2番隊のみなさん・・・」

「助けに行きますわよ!」


カイ

「・・・エリス・・・」


アスナはヒュウに声をかける


アスナ

「止めても・・・無駄みたいよ?」


ヒュウ

「・・・」

ふーっと煙を吐いた。


ヒュウ

「くそ・・・」



ーーー


一方その頃ー

帝国の3軍将のシルエットが、帝国陣営で会話していた。


シルエットA

「なんだ・・・アガリの方は罠を抜けたのか」


シルエットB

「何でも、1番隊が間に合ったようだ」


シルエットC

「・・・まあいい」

「これでサガリの救助は間に合わない・・・」

「我々はサガリに取り残された”獲物”を・・・」

「屠るとしよう・・・」


ーーー

カイ一行の前には、炎で燃え上がる砦が見える。


カイ

「くそ・・・!」

「急ぐんだ!!」


カイ一行はアガリ砦の倍近く大きいサガリ砦に到着するも、大きく上がった火が、

全員の絶望感を煽った。


ヒュウ

「・・・」


アスナ

「そんな・・・」

「助けるって行ってもどこから・・・」


カイ

「突っ込むしか・・・」


3人に、エリスが覚悟を持った表情で声をかける。

エリス

「みなさん!」


カイ「!」

アスナ「エリス・・・?」

ヒュウ「・・・」


エリス

「下がっていて!」

(私が・・・)

(やらなくちゃですわ!)


エリスは手をかかげる。

すると、可憐なエリスには不釣り合いな巨大な風魔法が立ち上がる。

ブオオオオオオオオオオ!!!


カイ

「す・・・」

「すげえ・・・」


アスナ

「エリス・・・!」

(こんな風魔法・・・)


ヒュウ

(こいつが・・・)

(こんな魔法を・・・)


エリスは小さく口から血が出ている。

それにアスナだけが気づいた。


アスナ「エリス!」


エリス

「やー!!」


【風術・碧塵絶流!!】


エリスらしい、ちょっと抜けた掛け声と共に、その風魔法が炎に叩きつけられる。

ドゴオオオオオオン!!


焼け落ちた瓦礫を吹き飛ばし、炎の裂け目が風によってできる。


カイ「やった!」


エリス

「ごほっ・・・」

エリスは口をおさえ、その手から血が溢れる。


アスナがすぐにエリスに駆け寄る


アスナ

「エリス!」

「大丈夫?しっかりして!」

(あんな大きな魔法・・・)

(これがその代償・・・)


エリス

「ごほっ・・・」

「あ・・・アスナ・・・」


カイ

「エリス!」

「おい、大丈夫か!」


エリスは吐血しながら、小さく笑った。

エリス

「大丈夫・・・ですわ・・・」

「早く・・・皆さんを助けに・・・」


アスナ

「エリス・・・」

アスナはエリスの覚悟を肌で感じ、瞳が揺れた。


アスナ

「いくわよ」


カイ・ヒュウ

「!?」


アスナ

「エリスが作ってくれたこの機会・・・」

「絶対無駄にしない!」


アスナはエリスに肩を貸す。


カイはそのアスナとエリスを真剣な表情で見つめる。


カイ

「・・・」

「ヒュウ、いくぞ」


ヒュウ

(こいつら・・・)

「・・・」

ヒュウは静かに足を踏み出した。


続きが気になった方は、ぜひブックマークや下の【☆☆☆☆☆】での評価で応援していただけると励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ