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第4章-7

ヒュウ

「あのバカ共・・・」

小さく舌打ちし、寝転ぶヒュウ


ヒュウ

「ほっとけ」

「どうせ助けてもまたすぐ死ぬぜ、そいつら」


隊員

「ヒュウ殿・・・」


ヒュウはモヤモヤした面持ちで、キセルの煙を吹かせ空を見る。

バクライの「昔のお前は仲間仲間ってうるさくてよお!」という発言

陽菜の「おまもり...... 着けてくださいね......」という最後の笑顔

2つの光景がヒュウの脳裏に浮かんだ。


ヒュウはゆっくり、キセルを咥える

そして、ふーっと煙を吐いた。


ヒュウ

「もう・・・」

「だりぃのはごめんだ・・・」


キセルから煙草を吹く


隊員

「?」

「何か申されましたか?」


ヒュウ

「気が変わった」

キセルを咥えながらぶっきらぼうに言った。

小さく、首から下げたお守りを握った。


ヒュウ

「かったりーけど」

「あのバカどもを助けに行くぞ」


隊員

「!?」

「りょ、了解です!


ヒュウ

「早く準備しろ」

「出るぞ、1番隊」


ーーー

【数時間前】


サムライ国の拠点


ハギノと眼鏡をかけたアスナが作戦会議をする。

その結果、北側の重要砦2つを、2番隊ハギノと3番隊(カイ一行)で分けて攻略していくことに。


アガリ(東砦)を3番隊、より大きく重要となるサガリ(西砦)を2番隊が攻める。


しかし、帝国側の罠:

どちらの砦ももぬけの殻で、拠点に入ったところを包囲・放火。


カイたち3番隊は、燃え盛る砦の中に取り残された形になった。


【現在】


カイ

「くそっ・・・!」

「砦の出入口も大岩で塞がれちまってる・・・!」


エリス

「このままでは・・・」

(焼かれるか、その前に酸素が・・・)


アスナはカイ・エリスの他に、怯えたり諦めたりする隊員を見た。


アスナ

「くっ・・・」

(何とか・・・しないと・・・)

(カイのスピードを乗せた斬撃?でもカイが助走をつけるスペースがここでは・・・)

焦れば焦るほど、思考が空回りするのが自分でも分かった。


その時、砦の声から声がする。


ヒュウ

「おい、3番隊」

「聞えるか?」


アスナ

「ええ!」

(ヒュウ!ということは1番隊が・・・)


エリス

「まだ何とか耐えていますが・・・」


ヒュウ

(ちっ・・・入念に計画された罠だな・・・)


アスナは落ち着いて思考した。


ヒュウ

「外を包囲していた敵軍は片づけた」

(だが・・・この取り残された状況は・・・)


アスナ

「ヒュウ!」

「あなたは魔法は何が使えるの?」


ヒュウ

「おれは”氷”だ」

「水も使えるが、この量の炎はどうにもできねーぞ」


アスナ

(氷?4大属性じゃない・・・?)

想定外の回答に一瞬思考が止まったが、気を取り直して話すアスナ。


アスナ

「分かった!この巨石を凍らせられる?」


ヒュウ

「!」

「いけるが・・・」

(こんな巨石を凍らせて何を・・・)

(しかもこの炎じゃ時間の問題解けちまうぞ・・・)


アスナ

「ありがとう、凍らせたら合図して!」


ヒュウは腰から刀を抜いた。

パキキっと音を立て、凍てついた、美しくすらっと伸びた日本刀の刀身が白い鞘から現れる。


一番隊の隊員

(来る・・・!)

(ヒュウ隊長の氷刀・”凍鶴”・・・)


ヒュウはキセルを咥えて構える。


ヒュウ

【氷術・氷絶閃!!】


一瞬、その空間を真っ白に染め上げたのち、

目の前の巨石と、辺りの炎の一部が氷の塊になった。


ヒュウ

「あいよ」

「これでいけんのか?」


アスナは巨石の裏側から、巨石が凍りついたことを悟った。


アスナ

「ありがとう!」

「カイ!」


カイを見てアスナが話す。


アスナ

「この石を砕いて!」

「表面で十分だから!」


カイ

「分かった!」


カイは剣に力を込め、一閃する。


カイ

「おらあ!!」


【無術・裂壊斬!!】


ガキィン!と音がなり、巨石に斜め方向の切り傷がついた。


カイ

「これでいいのか?」


アスナ

「ええ!」


アスナはその切り傷に自分の炎を流し込んだ。


アスナ

(ここまで凍った岩なら・・・)

(いける!)


【火術・炎砕波!!】


バコォォオン!!


岩が砕け散る。


ヒュウ

(温度差で岩を砕いたか・・・・)

(あの女・・・)


アスナ

「みんな急いで!」


ーーー

何とか窮地を脱した3番隊。


エリス

「ありがとうですわ、ヒュウさん」


ヒュウは気だるそうに、頭を搔きながらキセルを吹いた。


アスナ

(地形、情報、時間・・・)

(これが軍同士の戦い・・・)

(私はまだ・・・)

自らの力不足を痛感し、眉間にしわが寄るアスナ。


カイ

「けど・・・」

「きっと2番隊も・・・ハギノさんたちも同じ罠にハマってる!」

「助けにいくんだ!」


ヒュウはカイを横目に静かにキセルの煙を吐く

ヒュウ

「無理だ」


カイ・アスナ・エリス「!?」


ヒュウ

「もう罠にハマってからだいぶ時間が経ってる」

「おれたち1番隊は、お前らの方が近かったから助けられただけだ」

「もう・・・2番隊は間に合わねえ」

「諦めろ・・・」


カイ

「!?」

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