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第4章-1

カイ一行は、サムライ国の使いに連れられ、サムライ国へ歩を進める。


つい最近まで、自分たちがいる国すら認識していなかったカイにとっては、”国外”という概念そのものが、不思議で、未知との遭遇を予感させるものだった。


カイ

「サムライ国かー!」

「どんな国になんだろうな?」


アスナ

「私も話くらいしか聞いたことがないけど・・・」


エリス

「ふふん」

誇らしそうにエリスが語り出す。


エリス

「サムライ国は、他国との交流が少なく、結果として独自の文化を保っている、現代では珍しい国家なのですわ!」

「それで、軍隊も”サムライ”という独特の剣技・戦い方をする方々から構成されていますのよ!」


カイ

「すげー!」

「エリスは詳しいんだな!」


エリス

「そうですのよ、博識ってやつですの!」

「ほほほほほ!」

昨日エリスが夜中にこそこそサムライ国の本を読んでいたことを、アスナは言いかけたが、ぐっとこらえた。


サムライ国の使いがきまずそうに口を開く。

「ははは」

「概ねあっていますが・・・」

「この戦争で・・・最近はかつてのような独立国家ではなく・・・」

「何とか周辺の小国から物資を集めたり必死ですね」


エリス

「あら!そうなんですのね」


カイ

「あれ、エリス知らなかったのか?」


エリス

「いや・・・その・・・」

「あの・・・アスナが古いこと教えてきましたの!」


アスナ

「え!」

「なんで私のせいなのよー!」


3人はいつもの通りガヤガヤと話をしながら、サムライ国に入った。


大きな山々や、ところどころ独特な雰囲気の建物、そして見たことがなかった大きな田園の数々が目に入った。


カイ

「おれたちがいた地域と全然違うんだな!」


すると眼前から、大きな城が現れる。

そして、美人だが、まじめでキツそうな女性が城の前で待っていた。


ハギノ

「カイ殿・アスナ殿・エリス殿、この度はお越しいただきありがとうございます」

「サムライ国軍で2番隊の隊長をしております、ハギノと申します」


アスナ

「初めまして。ハギノさん」

エリス

「よろしくお願いいたしますわ」

カイ

「おっす!よろしく!」


いつも通りの軽い勢いで挨拶したカイ。

アスナは、そのキツそうなハギノに叱られやしないかと一瞬ヒヤリとした。


しかし、そんなアスナをよそにハギノは話し出した。

ハギノ

「さっそくなのですが、皆様には姫君のミコト様にお会いいただきたく・・・」


アスナ

(ミコト・・・私たちへの手紙の差出人・・・)

(一国のお姫様・・・)



アスナは小声でカイとエリスに話した。

アスナ

「いい?」

「失礼を働いちゃ絶対ダメだからね!」


カイ

「え?なんでだよー!」


エリス

「まるで私たちが失礼をやらかしそうないい方!」

「困っちゃいますわ!」


アスナ

「そうだから言ってんのよ!」

「姫君に失礼なんて働いたら・・・」

「私たち・・・」


カイ

「え?」


アスナ

「首打ち獄門かも・・・」


カイ・エリス

「・・・」


アスナ

(お、珍しくちゃんと分かってくれたみたいね)

「分かった?」

「だから、ちゃんと私のー」


カイ

「ウチ・・・クギ・・・なんだって?」


エリス

「またアスナが訳のわからない事言ってますわ!」

「行きましょ、カイ」


カイ

「そうだな!」

「アスナ、疲れてるならちゃんと寝ろよ!」


呆然とするアスナを尻目に、2人はハギノに着いていく。


アスナ

「ってちょっとー!」

「もうどうなっても知らないんだから!」

ーーー

城の奥に通されたカイ一行。

仰々しい通路を抜け、さらに一番奥の部屋にたどり着く。

美しく鳥や動物、木々が装飾されたふすまが3人の目に止まった。


カイ

「すげー!」

「城ぜんぶめちゃくちゃ綺麗だけど・・・」


エリス

「特別にここは綺麗ですわね・・・!」


アスナ

「本当ね・・・」

アスナはさっきの問答で少し膨れて城に入るまではぶーたれていたが、

さすがの装飾の美しさに感動していた。


ハギノ

「ミコト様」

「例の3人が参りました」


奥から仰々しい言葉遣いが帰ってくる。


???

「来たか」

「通せ」


ハギノ

「はっ」

ふすまを開けるハギノ。


アスナ

(どんな方なのかしら・・・)

(どうしよう、すごい怖い人だったら・・・)

(はー打ち首獄門か・・・)


ふすまを開けるとそこには、

カイと同じくらいの身長の、同じくらいの年の、小さな女の子が座っていた。

着飾っている着物は城の誰よりも美しいが、あどけない表情でそっと笑う。


ミコト

「よく来たの!」

「まさかルニールを取り戻したのが、こんな幼子とはの!」


アスナ

(幼子・・・?)

アスナはイメージとかけ離れた見た目に呆気に取られ、頭の中のツッコミが遅れた。


カイ

「よ!」

「おれはカイ!よろしくな!」


アスナ

「ってこらー!」

「いきなり何してくれてんのよ!」

カイのほっぺたを左右に引っ張りながら説教するアスナ


カイ

「いててててて」

「やめろってアスナ!」


エリス

「ごきげんよう、ミコト様」

「エリスと申しますわ」


アスナはカイの説教をしながら、エリスがお嬢様らしくしっかり挨拶をしたことに関心した。

そして、自分も挨拶ができていないことを思い出した。


アスナ

「あ・・・申し遅れました」

「アスナと申します」

「あの・・・このバカは私の弟なんですがその・・・」

「すみませんでした!」


カイの無礼をとにかく必死に謝罪するアスナ。


カイ

「アスナいきなりなんだよー!」


アスナ

「あんたはうるさい!」


ミコト

「ほっほっほ」

「よいよい」

ミコトは特に意に介していないようだった。


ミコト

「しかしカイ・・・」

「お主・・・いい目をしておるの!」

ミコトはカイに顔を近づけて言った。


カイ

「え?そう?」

「へへへ」


ミコト

「どうじゃ、カイ」

「わしの婿にならんか?」


カイ・アスナ・エリス

「!?」

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