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第3章-9

ジボン

「ほら、苦しいだろ?」

「早く死ね」


エリス

「......」

「こんなの、何ともありませんわ…」


ジボン

「あ?」


エリス

「あなたにはお分かりになって・・・?」

「もう苦しみを感じることさえできない、あなたたちに奪われた・・・」

「みなさんの悲しみを!!!」

エリスは、ゲルグがジンを殺したこと、

手下のバルガンがエリスの両親が守ってきた村を焼き払ったことを回想した。


ジボン

「ギャーギャーとうるせーな・・・」

「さっさと死ね・・・」

「!?」

エリスの怒りが空間を埋め尽くしていく

ブオオオオオオオオオ!!と大きな音を立て、巨大な魔力が渦巻く。


ジボン

(な、なんだこの魔力は・・・)


ブオッと風が吹き、ジボンを吹き飛ばす

ジボン

「ぐわっっ!!」

(こいつ、何しやがった!?)


エリスを中心に、まるで台風のような巨大な風の渦が立ち上る

そして、それが風の巨竜の姿を形どる

「グオオオオオオオオォォオ!!」

魔力の塊のその竜が、激しく咆哮する。


エリス

「ゴホッ」

エリスは小さく吐血しながらジボンを鋭く見る。


ジボン

「な・・・なんだよこれ・・・」


エリス

「ーッ!!」

無我夢中で風の渦をジボンに叩きつける


ジボン

「お、おい」

「やめろ・・・!」

「やめーーー」

ズガガガガガガ!!!!台風に巻き込まれたジボンの体は無惨に引き裂かれる

ドコォン!!!最後にジボンは壁に叩きつけられる


一瞬の静寂

エリス

「ゴフッ!・・・ゴフッ!!」

口を押え吐血するエリス。


エリス

「ハァ・・・ハァ・・・」

膝をつきながら、現実をかみしめる。


エリス

「か・・・勝った」

「勝ちましたわ・・・」

(私、初めて・・・)

(お二人に並べた気がしますわ・・・)

そのエリスの視界がゆっくりと滲んでいった。


ーーー

アスナ

「エリス!」


エリス

「アスナ・・・」

「私・・・」

駆け寄るアスナの声に反応し、小さく答えるエリス


エリス

「勝ちましたのよ・・・アスー」

目に涙を浮かべたアスナがさえぎる


アスナ

「あんた!もうこのバカ!」

「なんでこんなボロボロなのよ!!」

「逃げてって言ったのに・・・」

「遅くなってごめんね・・・怖くなかった?」


エリス

「アスナ・・・」

止まらないアスナをエリスが制する。

そして小さく手を出す


アスナ

「え・・・?」

エリスは小さく微笑む


アスナ

「もう・・・」2人は小さく手を合わせ、静かなハイタッチをした。


アスナ

(それにしても・・・)

(この魔法・・・エリス、やっぱりあんた・・・)


その頃ー

カイ

「おい」

ゲルグ

「・・・」

「ほう」


カイ

「ゲルグ・・・!」

「お前を、今日ここで討つ」

「帝国がこの国を支配するのはー」

「今日で終わりだ!!」

ーーー

ゲルグ

「貴様のような小僧が、よもやここまで来るとはな」

「城門のさわぎもお前たちか?」


カイはにっと笑う。


カイ

「教えてやらねーよ!」


ゲルグもにっと笑った。


ゲルグ

「まあよい」

「だが・・・」

「わしを討ち取れなければ、何も変わらんぞ?」


カイ

「ああ。知ってるよ」

「討ち取れば”いろんなこと”が変わることもな!」


ゲルグ

「ハッハッハッ!」

「そうか・・・」

「なら……来い!」

ゲルグはニヤリと笑った。

カイが間合いに入る。


カイ

「おらぁ!」

切りかかるカイ。


ゲルグの腕が“膨張”する。

【爆術・乱腕らんわん!!】

―ドゴォォォォン!!


爆発。視界が白に染まる。


カイ

「っ……!!」

吹き飛ぶが、爆発を予期していた様子で受け身を取る。


ゲルグ

「ふん・・・」

「これで終わりではないだろう?」

歩いてくる。ゆっくり。確実に。

カイは、立ち上がる。


カイ

「当たり前だろ!」

すぐに踏み込む。


カイ

「これはどうだ!」


【無術・飛月!!】


―シュンッ!!

飛ぶ斬撃が一直線に飛ぶ。


だが――

ゲルグ

「無駄だ」

斬撃に“合わせて”――

―バゴォォォォン!!


爆炎。斬撃は、空中でかき消される。


カイ

「・・・!」

(・・・届かねえか・・・)


ゲルグ

「他愛のない・・・」

「お前のような弱者が・・・」

「何かを変えられると・・・なぜ信じてしまうのだろうな」

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