第3章-3
カイは高速でゲルグに切りかかる。
しかし、横からジボンが剣で斬撃を受け止める。
カキィイイン!!と高い音がなる。
ジボン
「ふん」
カイ
「この・・・」
「邪魔すんじゃねえ!」
ドッと音を立てカイが踏み込む。
ジボン
「くっ・・・」
ジボンの剣を一瞬押し込むと、
そのまま後のゲルグに切りかかる。
アスナ
「カイ!」
カイ
「おらああああああああ!!」
ゲルグ
「ふん」
カイの剣がゲルグの薙刀で抑えられる。
ギギギギギギと音を立て斬撃が受け止められる。
ゲルグ
「終わりだ」
煙草を咥えたまま、冷徹にいい放つゲルグ。
薙刀の先に魔力が溜まっていく。
カイ
「!?」
カイが一瞬その魔力に気づいた瞬間、ドォン!!と大きな音がなり、
目の前に爆発が広がる。
アスナ
「カイ!!」
「!?」
カイが爆風で吹き飛ばされてくる。
木に叩きつけられそうになったカイをアスナが受け止める。
カイ
「うっ・・・」
アスナ
「カイ!」
「大丈夫?」
(魔力を爆発・・・?)
(これは・・・火属性?それとも何か・・・?)
ゲルグ
「直撃を避けたか・・・」
「バラバラにしてやったと思ったが・・・」
アスナ
「!」
アスナはこれまでにない”恐怖”を感じた。
手元でボロボロのカイを恐る恐る見る。
アスナ
(団長もやられちゃった・・・)
(どうしよう・・・)
(カイが・・・)
脳裏に浮かぶ、カイが爆発を食らい粉々になるイメージが、
アスナの思考を支配した。
ゲルグ
「そのガキと小娘を殺せ」
ジボン
「はっ!」
ジボンがカイを抱え、動けなくなっているアスナに切りかかる。
アスナ
(くっ・・・)
アスナは何とか一撃目を回避するも、二激目が近づいてることに気づく。
アスナ
(まずい・・・)
ジボン
「もらった!」
ーーー
振りかぶるジボン。
しかし、その眼前に剣が投げ込まれる。
ジボン
「!?」
咄嗟に回避するが、アスナへの二撃目はキャンセルされたジボン。
目線の先には、剣を投げたジン。
ジン
「ハァ・・・ハァ・・・」
そして、ジンの横で回復魔法を必死にかけるエリスがいた。
エリス
「団長様・・・」
アスナ
「団長!」
「エリス!」
ジボン
「くそ、生きてやがったか!」
その時、アスナの手からカイの咳が聞こえる。
カイ
「ケホッ」
「ハァ・・・ハァ・・・」
「アスナ・・・」
アスナ
「カイ・・・!」
カイ
「くそっ!」
カイは笑える膝でジボンに切りかかる。
アスナ
「カイ!待って!」
カイの斬撃がジボンの剣に受けられる。
ジボン
「ふん・・・!」
カイ
「こんにゃろう・・・!」
アスナは何とか震えながらも立ち上がる。
(今カイを助けられるのは私だけ・・)
(カイは・・・私が助けなくちゃ・・・!)
(私がやらなきゃ・・・!)
ジボンを抑えるカイの背中にゲルグが迫る。
アスナ
「!?」
ジボン
「へへ・・・!」
カイ
「くそっ・・・!」
ゲルグが薙刀に魔力を込める。
アスナ
(私が・・・やらなきゃ・・・!)
アスナは薙刀を構えるゲルグの地面を炎で狙う。
ゲルグ
「!?」
一瞬バランスを崩すゲルグ
その瞬間、薙刀に溜め込んでいた魔力が、本来の狙いのカイを大きく外す。
ドコォオオオオン!と空振りした爆発が夜空に消えていった。
ジボン
「何!」
カイ
「おらぁ!」
ジボンを力で押し、ゲルグの方にジボンを追いやる。
ゲルグとジボンが重なる。
アスナが、持てる最大の炎を作り出す。
アスナ
「カイ!」
カイ
「おお!」
カイの剣がアスナの炎を纏う。
ゲルグ
「ほう・・・!」
カイ
「食らえこの野郎!!!」
ゲルグとジボンに、”炎をまとった飛ぶ斬撃”ぶつける。
【無火術・白炎嵐月!!】
ドォン!!と音がなり、2人をアジトの外に追い出す。
アジトの外の滝下に2人を落とした。
カイ
「ハァ・・・ハァ・・・」
ジン
「すげえな・・・」
「カイ・・・アスナ・・・」
「うっ・・・」
ドサッと力なく倒れるジン
アスナ
「団長!」
ーーー
夜が明けかけている薄日の中、
エリスが必死にジンを回復させる。
エリス
「団長様・・・」
「しっかりして・・・」
カイとアスナは祈るような思いでその様子を見ていた。
カイ
「団長・・・」
アスナ
「・・・」
エリカ
「団長・・・」
「お願い・・・」
副団長のエリカは、ぎゅっと両眼をつむっていた。
ジン
「もう・・・いい」
エリス
「!?」
「うっ・・・」
エリスは気づいてしまっていた”命の限界”を実感し、
涙が目に浮かんだ。
カイ
「団長!」
アスナ
「団長・・・」
ジン
「カイ・・・アスナ・・・」
「最後の技・・・すごかったな・・・」
カイ
「団長・・・」
「団長・・・!!」
カイの目からはとめどなく涙が溢れた。
ジン
「2年前はあんなに小さく見えてたお前らが・・・」
「頼もしくなったな・・・」
「ごふっ!」
吐血するジン
アスナ
「団長!」
ジン
「お前ら・・・」
「この国を・・・頼んだぜ・・・」
「あとエリカ・・・」
エリカ
「はい・・・団長・・・」
口を必死に抑えながら、エリカが答える。
ジン
「だらしねえ団長で・・・」
「世話かけたな・・・」
「ははは・・・」
エリカ
「うっ・・・」
ジン
「団員のみんなに・・・」
「よろ・・・し・・」
ジンは柔らかい笑顔を浮かべて逝った。
エリカ
「うっ・・・」
「団長・・・」
続きが気になった方は、ぜひブックマークや下の【☆☆☆☆☆】での評価で応援していただけると励みになります!




