第2章-6
いらだったモルディがアスナとの距離を詰める
アスナ「このっ!」
アスナは炎をぶつけて迎撃するが、避けられる。
(ふん。こいつは火属性。
水属性――この軍で一番のおれに、どうこうできるわけがねぇ)
(バカが)
モルディ
「ロットン、この女はおれがやる!」
「お前はそっちのガキだ」
ロットン
「なんだよ、おれの相手はこんなチビかよ」
カイ
「おれで悪かったな」
「じゃあさっさと終わらせてやるよ!」
ロットン
「なめてんな・・・クソガキ」
「来いよ!」
「もう泣いても許さねえぜ?」
「ハハハハハ!」
カイは真剣な表情で切り込む
カイ
「お前らみたいなのは・・・」
「おれがぶっ倒してやる!」
ーーー
対峙するアスナとモルディ
アスナは中距離から、炎弾を数発、撃ち込む。
――しかし。
モルディ
「ヘっ」
【水術・雨垂!!】
ジュッ、ジュッ、と音を立て、
すべてが水の防壁にかき消される。
アスナ
(水属性……!)
(炎は効かない……)
一瞬の判断。
(なら――)
(近距離の、打撃しかない!)
アスナは鋭く踏み込み、蹴りを叩き込む。
バシィッ!!
モルディは腕でガードする。
だが――確かな衝撃。
モルディ
「……チッ」
(こいつ……いい体術を持ってやがる)
アスナ
(体術は……有効!)
(あとは、距離を維持できれば――)
再び、アスナが踏み込む。
――その瞬間。
モルディの周囲に、水の防護壁が展開される。
バシャァッ!!
大量の水が、アスナの全身に叩きつけられる。
アスナ
「……!?」
追撃に入ろうとするが、
蹴りはわずかに遅れ、かわされる。
アスナ
(くっ……水の重さで、動きが……!)
モルディ
「へへ……」
「オラァ!」
水の鋭い弾丸が放たれる。
アスナ
「ぐっ!」
数発、被弾。
本来なら余裕で回避できる速度――
だが、水を含んだ身体が、反応を鈍らせる。
さらに。
モルディが水の刃を形成し、振るう。
【水術・流刀!!】
ザシュッ――
アスナの胸元が裂ける。
アスナ
「……っあぁ!!」
エリス
「アスナさん!!」
「そんな・・・!」
血と、髪から滴る水が飛び散る。
モルディ
「終わりだ!」
再び、水の刃が飛ぶ。
バシュッ!!
エリス「アスナさん!」
ーーー
――ギリッ。
アスナは蹴りで、かろうじて刃を弾き飛ばす。
距離を取る。
アスナ
「……ハァ……ハァ……」
モルディ
「痛ぇだろ?」
「ハハハ!」
エリス
「アスナさん……」
アスナ
(まずいわね……)
(この“水の重さ”さえ、どうにかできれば……)
一瞬、覚悟を決める。
(……仕方ない)
アスナは、大きな炎の壁を――
自分の正面に展開する。
ゴォォ……!
モルディ
「バカか!」
「炎は効かねぇって言ってんだろ!」
――次の瞬間。
アスナは、その炎の壁へ――
自ら飛び込んだ。
モルディ
「……!?」
エリス
「......!?アスナさん!!」
ボウッ、という音とともに、
アスナの身体が一瞬、炎に包まれる。
だが――
次の瞬間。
炎を突き破り、
アスナが一気に距離を詰める。
モルディ
「なっ――!?」
水の刃を繰り出すが、
その姿を捉えきれない。
モルディ
(速い……!?)
(まさか――水を、炎で蒸発させたのか……!)
アスナ
「――はぁっ!!」
炎を込めた拳で、叩き込む体勢に入る。
モルディ
「くそっ!」
慌てて、水の防護壁を再展開。
モルディ(落ち着け、こいつは炎属性。この防護壁は突破できねえんだ)(次で、殺せる!)
迎撃の準備を整える。
――壁が、晴れる。
だが。
そこに、アスナはいない。
モルディ
「……!?」
「いない……!?」
その瞬間。
背後から――
アスナ
「防護壁で防げると、油断したわね」
(もっとも、炎の拳を出して確実に防護壁を使うよう仕向けたんだけど)
「――隙ありよ」
足に炎をまとわせた鋭い蹴り。
【火術・焔脚!!】
バチィンッ!!
後頭部に、完璧な一撃。
モルディ
「……ガ……ッ」
ドサッ――
鈍い音を立て、モルディが倒れ伏す。
アスナは、静かに髪をかき上げる。
アスナ
「こっちは――(エリスの方を一瞥)
背負ってるものがあるの」
動かないモルディに冷たい視線。
「……なめんじゃないわよ」
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