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第2章-4

逃げのびた3人は、近くの岩場に身を潜めた。


気絶中のエリスは両親との思い出を思い出していた。


そっと涙がこぼれ、それに気づいて目が覚めた。


エリス

「ここは…」

何があったかを思い出したくない。

ただ、何かを感じて目を覚ました。


エリス

「あ、あの…」


アスナ

「!?」

「ああ、エリス。目が覚めたのね」


エリス

「あの…あの…」

「その...」

「村は…」


アスナは目線だけ、少し遠くで燃え尽きて真っ黒になった村の跡地を見るた。


アスナ

「…」


エリスは必死に口を押さえたが、溢れ出す涙を止めることができなかった。

「うっ…うっ…」

(目元を映さないが涙が流れているのが分かる)


カイが帰ってくる

カイ「エリス…」


数時間後

カイ「エリスは?」

アスナ「…(目線だけエリスに送る)」

エリス「…(目が虚ろ、頬に涙の跡だけある)」


カイ

「クソッ・・・」

「おれが…強ければ」

「おれがもっと強ければ昨日の時点であいつらをぶっ倒して、そしたら村は無事だったのに…」

「クソッ!」


アスナ

「・・・カイ、落ち着いて」


カイ

「クソッ!クソッ!」


アスナ

「カイ!!!」


カイ

「!?」


アスナは震えながら、目を伏せて静かにカイにやさしく伝えた。

「落ち着いて」


ーーー

その日の夜


カイ

「エリス」


エリスは聞こえているのかいないのか、反応せず空虚な瞳を浮かべていた。


アスナ

「…」


カイ

「エリス、おれはあの帝国のやつを絶対許さない」

「今から、おれはあいつを討ちに行く」


エリス

「…」

昨日は必死にバルガンに歯向かうことに反対していたエリスが、もう何も答えなかった。

その様子が、アスナにはエリスの”心の限界”をありありと伝えているように感じられた。


カイ

「お前の無念は、おれたちが必ず果たしてくる」

アスナ

「あなたはここで待っていて。今は…何も考えなくていいから」

エリス

「......」


カイとアスナが出ていこうとする


エリス「あの…アスナさん」

アスナ「?」

エリス「あなたは怖くないのですか?戦うことが…大切な方を失うことが」

アスナ「…」


アスナはエリスに寄り添って話した。

アスナ

「怖いわよ」

「怖い」

「怖いわ」


エリス「!?」


アスナ

「カイと私には大切な人がいたの」

「本当に大切だった」

「ずっと3人で一緒に生きていけたらって、心から思っていた」


アスナが震えながら、涙を見られないようにエリスに背を向けた

「けど…」

シキと過ごした最後の夜を思い出すアスナ。

ーーー

シキ

「……いつか」

「平和な世の中になって」

「お前と、カイが……楽しく生きてほしい」

「……それが、おれの願いだ」

ーーー


アスナ

「その人も、平和な世の中が来たらいいなって言ってた......」

「私は、あの人の…思いまで消したくないの」

「だから、戦うの」

アスナは静かにエリスの方を向いた。


アスナ

「エリス、あなたにはあなたのできることがある」

「それを見つけるまで、今は休んでー」


エリス

「私も…」


アスナ

「!」


アスナは、さっきまで抜け殻のようだったエリスが、

自分を制して話を始めたことに驚いた。


エリスは涙を浮かべながら両親や子供を思い出す。


エリス

「私も、失わせたくない…これまで犠牲になった方々を...」

「なかったことになんて...したくありません...」

エリスは涙を拭く。


アスナ

「エリス・・・」


エリス

「私も・・・一緒に行きます」

「どうか・・・お願いします」

エリスはぺこりと、頭を下げた。


カイが優しく笑う

「よく言ったなエリス!」

「よっしゃ、んじゃ3人であいつをぶっ倒しにいくぞ!」

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