表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/10

05野次馬の目

 破竹の勢いでSランク目前まで登り詰めていた冒険者パーティー『太陽の戦乙女』の失態は野次馬の目を集め、

 大々的に面白おかしく記事に書き立てられた。


―――――――――――――――――――――――


 ”敗北記念か?石化した戦乙女アンジェラが広場に出現!?”


 写真にはボロボロの鎧を纏って、折れた剣を握りしめたアンジェラが石化して広場に立っている様子が写っている。

 遺跡探索中、石化を使いこなす魔物――コカトリスと交戦。単独で突撃した結果、石化。

 その後、転送罠により市街地へ移動し、他のパーティーメンバーが駆け付けるまで、晒し者にされていたという。

 石化を解除させられるまでにも時間がかかり、その最中も人々の好奇の視線を一身に受け続けたわけだ。


 「……あーあ」


 紙面を指でなぞる。


 「ちゃんと連携しないから、そうなるんだよ」


 誰もいない部屋で、僕は小さく笑った。


 「この顔」


 石像の写真をよく覗き込む。

 アンジェラの絶望した顔だ。


 「うん。すごく、いいね」


―――――――――――――――――――――――


 ”火力はSランクでも練度はFランク?――“太陽の戦乙女”連携崩壊”


 討伐中、アンジェラの必殺技が制御を逸脱。

 味方の退路を焼き、結果として戦線が瓦解。

 幸い重傷者は出なかったが、依頼は中断。

 ギルド内では「連携以前の問題」との声も上がっている。

 アンジェラの練度不足を指摘する冒険者も多い。

 

 「出力上げすぎ、下げればいいのに」


 そう言ってから、少し考える。


 「……ああ、そっか」


 くすり、と鼻が鳴る。


 「不器用だから“下げられない”んだったね」


―――――――――――――――――――――――


 ”Sランク候補に陰り――魔物を取り逃がす”


 優位に進めていたはずの戦闘は、終盤で崩壊。

 決定打を担うはずだったアンジェラの一撃が不発に終わった。

 魔物を取り逃がしたことで、長期的な被害が懸念されている。

 関係者は『前ならあり得なかった』と困惑を隠さない。


 「また、期待を裏切っちゃったね」


 ぽつりと呟く。


 「どんな顔でギルドに報告しに行ったのかな?」


 想像するだけで、笑えてきた。


 「見たかったなぁ……。」


―――――――――――――――――――――――


 ”太陽の戦乙女、失速か――相次ぐ失態にギルド内評価が暴落”


 かつては将来を嘱望された若手パーティも、

 現在は依頼達成率の低下が顕著となっている。

 特にリーダーであるアンジェラの判断ミスや実力不足が指摘されており、

 Bランク降格の声まで上がってきている。


 紙面を閉じる。

 インクの匂いが、少しだけ残る。


 「あーかわいそ。

 あーかわいそ。

 あー……かわいいなぁ。」


 僕は微笑んだ。


――――――――――――――――――――――― 

私事で大変恐縮なのですが、

ヒロイン敗北系の大勢の前で無様を晒されるシチュエーション好きなんですよね。

そのために、わざわざ新聞とか写真とかそういう要素いれちゃいました。

時代考証に関しては……まぁその辺はなろうファンタジーなので……(逃げ)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ