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婚約破棄されたので、王宮を出て制度を作り直します ~王国の財政を握っていたのは私でした~  作者: 月守いとは


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第97話 選び続けるということ

 王宮の回廊は、夜になると静かだ。


 窓の外には、港の灯りが遠くに見える。


 レオンハルトは欄干にもたれ、海の方を見ていた。


 足音が近づく。


「呼びましたか」


 エリシアが隣に立つ。


「第六章の終わりを確認しておこうと思ってな」


 王子は冗談めかさずに言う。


「終わってはいません」


「だが、一度は越えただろう」


 沈黙。


 確かに、越えた。


 制度は揺らいだ。

 内部からも、外部からも。


 止める選択肢もあった。


 だが、止めなかった。


「私は、維持を選んだ」


 王子が言う。


「あなたは、一時停止を選んだ」


「ええ」


「どちらが正しかったと思う」


 エリシアは少しだけ考える。


「どちらも、必要でした」


 王子は小さく笑う。


「曖昧だな」


「曖昧です」


「制度は二択では動きません」


 風が吹く。


「公開は正義ではありません」


 エリシアが言う。


「それはもう分かっています」


「正しさを証明する制度ではない」


「責任を残す制度です」


 王子は視線を向ける。


「責任は重い」


「ええ」


「だから揺らぐ」


 短い沈黙。


「あなたは強くなった」


 レオンハルトが言う。


「揺らぐことを受け入れた」


「強くはありません」


「ただ、選び続けるだけです」


 公開を。

 修正を。

 段階を。


 完成はない。


 だが、選択は続く。


「次は、公開の外側だな」


「はい」


「制度が強くなれば、影も濃くなる」


 王子は頷く。


「国家も同じだ」


 海の向こうに、薄く月が浮かぶ。


「私は国家を守る」


「あなたは制度を守る」


「だが、どちらも人のためだ」


 エリシアは静かに言う。


「人は制度に揺さぶられる」


「だから制度も揺らぐ」


 完全な一致ではない。


 だが、対立でもない。


 かつての婚約は、もうない。


 だが、対等な関係はある。


「選び続けろ」


 王子が言う。


「私も選ぶ」


 灯りが揺れる。


 揺らぎは消えない。


 だが、倒れない。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


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