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柴家の威信、省倉せいそうの静寂

お嬢の独り言

「……おじさん、ようやく辿り着いたわね。

ここは、かつての皇帝の末裔たる柴家が、由緒正しき家系が導いた**『省倉』**。

磨き上げられた石造りの床、厳重に封印された重厚な扉……。


ここに高麗からの至宝が運び込まれる姿は、まるで失われた王国の財宝が、あるべき場所へ還っていくような神聖ささえ感じるわ。

高麗の最高級人参、透き通るような高麗紙、そして無準師範様が認めた墨蹟。

これらすべてを『省倉』に収めることは、私たちの商いが単なる金儲けではなく、**柴家の名の下にある「公の義」**であることを証明しているのよ」


おじさんは、潮風に焼けた顔を引き締め、柴家から遣わされた目付役めつけやくの立ち会いのもと、一つ一つの荷を確認し、丁寧に運び込ませていきました。


お嬢の独り言

「……柴家への正式な報告。

おじさんは、高麗で手に入れた中でも最高級の『千年人参』を、柴家の当主様へと捧げました。

梁山泊りょうざんぱくの時代から、燕青おじさんが生涯をかけて守り抜いてきた『忠義』の心。

それが今、この省倉の鍵を預かるという信頼の形になって結実したのね。

当主様が、おじさんの逞しい肩を叩き、『燕青殿、ありがとう。この荷は、いずれ訪れる国の危難を救う「義の糧」となろう』と言葉をかけられたとき。

私は、おじさんの目に微かに光るものを見た気がしたわ」

ようちゃんは、柴家の荘厳な雰囲気に背筋を伸ばし、美林びりん様も、古い格式と新しい志が溶け合うその光景に、深く首を垂れておいででした。


お嬢の独り言

「……よし。省倉の重い扉は閉ざされ、その鍵は長官の部下達に渡された。


さあ、おじさん。

柴家の威光を背負い、高麗の至宝が、明日からは臨安の政界に私たちの『華翊かよく商会』の名を轟かせてやるわよ。

燕青の娘として、私はこの省倉に眠る宝の価値を、千倍にも万倍にも高める最高の『邸報』を書き上げるわ!」


私は、おじさんの生還と、柴家との揺るぎない絆を胸に、次なる壮大な戦略を練り始めました。

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