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毒を食らわすのではなく、抗えないほどの「蜜」を与えて、手続きを迅速に進めさせる。


まさに「敵を飲み込んで繁栄の礎にする」代筆屋としての枠を超えた計画と確信。


蜜の罠、商会の夜。


柴翊さいよく様の屋敷で開催される設立パーティ。


そこには、かつて柴翊様を陥れようとした高官の関係者たちも、神妙な顔をして列席しています。彼らに対し、お嬢は南国の果実を惜しみなく振る舞い、さらに「商会の設立メンバー」という抗いがたい利益(蜜)を提示しました。


お嬢の独り言

「……かつて牙を剥いた相手だからこそ、今は最大限の敬意を払って『蜜』を飲ませてあげるのよ。

敵対し続けるよりも、共に儲ける方が得だと分からせれば、市舶司しはくしの許可証なんて、明日の朝には届けられるはずだわ。


柴翊様も、私の提案を聞いて少し驚いた顔をしていたけれど。


『お嬢、君は本当に……人を動かす術を心得ているね』と、最後には静かに頷いてくださったわね。


李美林りびりん様という王族の威光を傘に着て、かつての敵に恩を売り、手続きという名の壁を、甘い蜜で溶かしていく。


……これが、私の書く『最高に幸せなしあわせなうそ』の、もう一つの形かもしれないわ」


夜の屋敷にて

花陽かようちゃんと燕青おじさんの弟子たちは、庭に積まれた果実の山をお嬢からの指示書通りに配達に周ります。


「ねえさま……それでもかなりの量が残りますが、これは、私、全部食べられません。」


「陽ちゃん、飯店でも提供するのよ。

そして、この臨安で、もっと大きな『城(倉庫)』を建てることにしたわ。


帰ったら、残った果実で乾杯しましょう。


明日からは、目が回るほど忙しくなるわよ」


「ねえさま、もう、充分目が回っています。」


お嬢の独り言

「……燕青おじさん。

あんたが夢を見ている間に、私はあんたがかつて戦った敵さえも、私たちの商売の歯車に組み込んでおいたわよ。


熱が下がって戻ってきた時、自分の立場が『商会の看板役』に変わっていても、驚かないでちょうだいね」


私は、柴翊様の屋敷から持ち帰った「協力者名簿」を机に広げました。


そこには、かつての敵の名前が、今は「華翊かよく商会」を支える柱として、私の筆によって連ねられています。

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