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カレトヴルッフ

お互いに間合いに入る前に東雲が目には見えない攻撃を仕掛けてきた。俺はかすかに感じる魔力を頼りに攻撃を捌いていく。

「うおおおおおおおお!」

「ちっ・・」

俺は徐々に間合いを詰めて行く。そして・・

防御斬刃(インパクト・オブ・リフレクター)!」

俺は魔法を吹き飛ばす一突を放つ。

「ふっ、あまいな・・・見えなき風の解放(インビンシブル・エア)!」

東雲のレイピアからすごい威力の風が吹き始める。俺の一突きはその風を弾くが、突きの威力はなくなり、俺に隙が出来る。

「はああああああああ!」

「うぐっ、うがっ・・」

俺は隙を狙われて、東雲に攻撃される。俺はふらつく。

「黒金君!」

大鳶の声が聞こえる。

「大丈夫だ・・・だから、下がってろ、大鳶!」

俺は駆けつけようとしている大鳶を止める。

「話は終わったか?さあ、死ぬ覚悟を決めろ、黒金!」

東雲が間合いを詰めて来る。俺もベガを構え直す。

「はああああああああ!」

「うおおおおおおおお!」

東雲の素早い突きと俺の東雲に劣らない振りが激しくぶつかりあう。何故か東雲は魔法を使わない。それをチャンスだと思った俺は剣から防御壁を展開する。

「おっと・・」

東雲は防御壁に押される形で後ろにふらつく。

「うおおおおおおおお!」

俺は東雲の隙を見つけ、すぐさま腹に斬り込む。

「うぐっ・・」

東雲は腹を抱えながら、後ろに後退する。

ここで俺はあることに気づく。

どうして、魔法を使わないのだろう。使えないのかもしれない。思い当たることが一つ。

見えなき風の解放(インビンシブル・エア)と言う風。

もしかして、あれを使うとしばらく魔法が使えないのではないのか。

俺は確信し、とどめをさすためにもう一度東雲の腹を斬り込もうとする。しかし・・

「見えなき存在(インビンシブル・フル)

突然、東雲が消えた。そして、

「う、うがっ・・」

俺は斬り付けられたような感覚を覚える。おそらく、東雲は自身の姿を消している。

俺は魔力から東雲の位置を把握しようとする。しかし、「魔法使いの楽園(ヴァルハラ)」から感じられる魔力も混ざり、それは叶わなかった。発信源もわからない魔力を感じとることは不可能だと実感する。

「うがっ、がはっ・・」

俺は見えなき攻撃に翻弄されるがままになっていた。ただ、何の攻略法も見つからず、ただ、攻撃を

受け続けた。もう俺はボロボロだった。

「黒金君!このままじゃ・・やめて!東雲君!」

大鳶は東雲に攻撃をやめさせようとする。

「大鳶、やめろ!」

「でも、黒金君、このままじゃ、死んじゃうよ。」

「わかってる。でも、そしたら、それでも構わない。俺たちはそれぞれの守りたいもののために闘うと決めたんだからよ。うがっ・・」

「そんなの・・・そんなの・・・間違ってる。黒金君は私を守ろうと闘っているけど、命をかけることなんてないよ。」

その瞬間、大鳶に力がみなぎる。そして、大鳶の頭に自分自身の隠された力、すなわち、魔法を解放するための言葉がよぎる。

そして、大鳶は唱える。

魔術回路接続(ゲート・リンク)!」

その瞬間、大鳶の手に美しい白き刃の剣が握られる。さらに大鳶の頭に剣の情報が流れて来る。


「カレトヴルッフ」

この剣は相手の魔法を弱める能力を持つ、「穢れなき(セイント・ヴィーナス)」、絶対的な破壊力を持つ、「聖なる光の(ジ・セイント)」を放つことができる。ただし、使えるのは一回の戦闘で、二つ合わせて三回まで。それ以上使うと剣の呪いにより、使用者は命を奪われる。


大鳶は剣を大きく上段に構える。そして、振り下ろす。

「穢れなき(セイント・ヴィーナス)!」

剣から光が放たれる。そして、辺り一面が光に包まれる。

すると・・

「なっ・・・⁉」

東雲の姿が露わになる。俺は思いがけないチャンスを活かし、素早く東雲に攻撃を仕掛ける。

「うおおおおおおお!」

「ちっ、クソッ・・」

東雲は動けないようだ。

さよなら、東雲。お前の分まで、俺、頑張るからさ。

俺は東雲にトドメの一撃をさそうとする。

しかし・・

またしても、この闘いに決着がつくことがなかった。

「魔法使いの楽園(ヴァルハラ)」が消滅する。

俺と大鳶は学校の屋上にいた。

「今、私、魔法使ったよね。」

「ああ。」

大鳶もとうとう魔法が使えるようになった。俺はある提案をする。

「大鳶、俺と組まないか。」

「えっ・・」

「俺さ、ある人とこの闘いの主催者を倒すために仲間を集めているんだ。お前もそこに入らないか。」

俺は冬夜と組んでいることを伝える。

「・・・・いいよ、組もうよ。私もできるだけ、犠牲は出したくないから。」

「そうか、ありがとう。」

「じゃあね、黒金君。伏見さんを置いていかないでね。」

「ああ。」

そして、大鳶は去って行く。

「うわあ、おっと・・・」

ドスン

大鳶が転んだらしい。本当に大鳶はドジっ子なんだなと思う俺なのだった。





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