織姫の願望
ここは学校の屋上。
俺と織姫は星を見ていた。
「綺麗ですね。ついついうっとりしてしまいます。昴と同じ視界から見るのとはまた違う良さがあります。」
「・・・そうか。とにかく気に入ってもらえて嬉しいよ。しかし、星を見ると本当に落ち着くよ。」
それから、しばらくの沈黙。俺と織姫は各々星に見とれていた。少し涼しめの夜風と満天の星空。この二つが揃う最高の場所、学校の屋上。この学校には警備員もいるのに夜間の学校侵入が禁止になっているのか俺にはわからなかった。夜の学校の屋上はこんなに素晴らしい場所なのに。
俺たちは屋上のコンクリートの床で仰向けになっていた。
しばらくすると、俺はコンクリートの硬さが頭に負担になっていると感じるようになっていた。
織姫がそれを察するようにある提案をしてきた。
「昴、膝枕しましょうか?」
と。
俺はそれを聞き、織姫の脚をちらりと見てしまう。
織姫は脚を見せつけるかのようにドレスの裾をめくっていた。すらりと並んだ細くて綺麗な脚。しかし、太ももはそれなりの膨らみがある。
俺はいつしかそんな織姫の脚に見とれてしまっていた。
「そんなにじっくり見ないでください。恥ずかしいです。」
俺の視線を感じたのか、織姫がそう言ってくる。
「す、すまん。」
俺は我に返り、織姫に謝った。
「ふふふ、どうやら、昴は私の脚に釘付けみたいですね。それでこそ、膝枕をする意味があるってもんです。」
どうやら、織姫は膝枕をする満々だ。しかし・・
「別にいらないぞ、膝枕。」
と、俺は断った。これで頼むと言ってしまうと俺は何となく織姫の色気に誘惑され、理性が保っていられるか、わからなかったか
らだ。それに恥ずかしい。
だが・・
「遠慮なさらずに。ここには誰もいませんから。」
織姫はそう言って、俺の頭を無理やり、自分の膝においた。
柔らかい・・何だろうこの感じ。とてもフィットしている。それにこの角度から見る星はまた一段と綺麗だった。
「どうですか?昴。私の膝枕は。」
「ああ、とても心地良い・・」
「そうですか。気に入ってもらえて嬉しいです。」
織姫は今日二度目の美しい笑みをみせる。顔も少しばかり赤くなっていた。
俺が少しばかり織姫の笑みに見とれていると、
「昴、私の話、聞いてくれますか。」
織姫からは笑みが消え、真剣な眼差しに変わる。
「ああ、いいけど。どうしたんだ、急に改まって。」
俺が話を聞くことを聞いた織姫は、息を深く吸ってから話し始める。
「私は今、こうして、昴と一緒に星を見ることができて嬉しいです。まさか、こんな日が来ると思ってなかったですから。元は私も昴の魔力の一部。でも、私は特別だった。所詮、魔力なのにも関わらず、意識があった。人格があった。そのおかげで昴のすべてを見ることができました。そう、すべてを。昴の優しさ、強さ、弱さ、卑屈さ、抱えているものを。そんな昴を見てきて、いつの日か私は、自分の身体を持って昴を支えたいと思うようになったんです。だから、本当に自分の身体を持って、昴を助ける立場にいるのがとても嬉しいです。とりあえず、これからもよろしくお願いします。」
織姫は微笑む。
「ああ、よろしくな、織姫。頼りにしてるぜ。」
「はい、どんどん頼ってください。」
こうして、俺たちは親睦を深めた。




