表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪夢の魔女と死んだ恋  作者: かなゑ
始まりの始まり

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

26/28

26

現れたのは、黒髪の美しい男だった。


「来よったか」

「冷たいじゃないか。待っていたんだろう」


名画のような笑顔を浮かべたその男は、表情とは裏腹に、目にも留まらぬ速さで魔法を繰り出した。

息つく暇もなく、次から次へと攻撃の手が放たれる。


「逃げるなよ。まるでゴキブリみたいじゃないか」

「ふんっ、よく言うわ。不利なのは貴様であろう」


男の視線が、あれの腕にいるベラへ向けられる。


「本当に卑怯なゴミ虫だよね。安心しなよ──きっちり、息の根を止めてあげる」


(顔はいいのに、怒ると意外と手がつけられないのよね……)


シェイラは内心でそう思い、呆れたようにため息をついた。

顔立ちは整っていて、口調も穏やかだが、吐き出す言葉は容赦がない。

それを見て、アマリリスはぽかんと口を開けたまま立ち尽くしていた。

やや分が悪いと感じたのか、あれはふっとアルスたちの方へ攻撃を仕掛ける。


「おい、ゴミ。相手は僕だろ」


攻撃は届かなかったが、その隙に、あれは逃げる準備を整えていた。


「逃げるわっ!」

「ベラっ!」


聞こえないとわかっていながら、アマリリスは叫んでしまう。

同時に、アルスの叫び声も重なった。


「逃げ足だけは速いゴミで困るね」

「久方ぶりに楽しめた。また遊んでやってもいいぞ」

「その汚い顔は、二度と拝みたくないね。あとその子は返してもらうから。──というか、もう返してもらった」


気づけば、あれに捕らえられていたはずのベラは、黒髪の男の腕の中にいた。


「あの人……一体、何者よ」

「彼も妖精の加護持ちです。実力だけなら、我が国の魔法師では、まず太刀打ちできません。あれも、正真正銘の化け物ですよ」

「そんな……加護持ちが、こんなにポンポン出てきていいものなの……」


加護持ちが一人いるだけでも、思考が追いついていないというのに、二人目がこうも容易く現れる。

言葉を失うアマリリスに対し、シェイラはこめかみを指で掻きながら、苦笑して言った。


「まぁ……慣れですね」

「本当に目障りな男だ……次は必ず」


あれはアルスへ向かって指を差す。

黒髪の男が攻撃を仕掛けるが、寸前でかわされる。

次の瞬間、そこには──何もいなかった

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ