表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪夢の魔女と死んだ恋  作者: かなゑ
始まりの始まり

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/28

24

「え、いつの間に扉…」

「アマリリスさんが考え込んでいる間に、ですね」

「そう、なの。これはどこに繋がっているの…?」


地獄へ誘う扉ではないかと、ふと考えてしまい、恐る恐る質問する。


「っふ、安心してください。アルスの記憶を移動するだけですよ」


扉を開けて潜り抜ける。質問攻めにしたい気持ちはあったが、精神的な疲労もあり、黙ってついていくことにした。

目の前に現れたのは、少し成長したアルスだった。


「なあ、ケイミー」

「なぁに〜」

「あいつら、今日こそ上手くいくかな?」

「どうだろ〜。二人ともモジモジして進まないからな〜」


話し終えると、二人はニヤニヤと顔を見合わせている。


「誰の話をしているのかしら?」

「……わたしはこの記憶をすでに、一度視ています」

「そうなの?じゃあこれは誰の話なの?」

「最初に言っておくと、ベラさんとレイさんです」

「あら、あの二人そんな関係になったの?」


二人は何も知らず、楽しそうに笑っていた。

その姿が、あまりにも無邪気で。


「お似合いね」


アマリリスの声に、シェイラは答えなかった。

やや引っかかりはあったが、二人が部屋から出たため、追いかける。

いくらか歩くと、探していた人物を見つけた。


「アマリリスさん、ここからは視るなら覚悟を」

「どういうこと?」

「ここから先は、人が死にます」

「え、それって……」


それが誰なのか、なぜなのか。問いを口にする前に、事態は動き出していた。


「あ、いたいた。ベラ姉〜!」

「ほんとだ。ベラー、今日こそモジモジせず──」

「二人とも!逃げなさいっ!!」


その声は、必死そのものだった。

遮られて見えなかった二人の姿が、はっきりと見える。

そこには、隠しているはずのサードアイを晒し、傷だらけの身体で立つベラがいた。

レイも片腕を失い、血を滴らせながら、ただ彼女を守るように前へ立っている。


「え、ベラ姉……?なに、それ……」


ケイミーが、やっとの思いで言葉を絞り出す。

アルスは、ただ立ち尽くしていた。


「みつけた」


突然、底冷えするような声が地を這う。

姿は見えない。だがこれは──人ではない。直感でわかった。

二人とも硬直していたが、ケイミーが一歩、前へ出ようとする。


「──っ!ベラ姉!!」

「来るなっ!馬鹿ガキ」


レイが叫ぶと、ベラはこちらを見つめ、静かに微笑んだ。


「生き延びて。大好きよ。あとは頼んだわよ」

「ベラね──」


後ろから口を塞いだのはアルスだった。無理矢理に身体を引き、走り出す。


「助けなきゃ!離してよ!アルス!!離し──」

「俺だって助けたいっ!!でも、あれは無理だ!」

「そんな……嫌よ、嫌、嫌……」


声を震わせながらも、足は止まらない。

用意などしている暇はない。とにかく、少しでも遠くへ行かなければならなかった。


「ねえ、助けられないの……」


二人を追いながら、アマリリスがぽつりと呟く。


「記憶に、干渉はできません。過去は変えられないんです……」

「あの二人はどうなったの」

「二人とも、あれに殺されてしまいました」

「そんな……あれは何者なの!?」

「わたしにも、はっきりとはわかりません」


初めて聞く「わからない」という言葉だった。

その瞬間、背後の空間が、わずかに歪んだ。振り返ってはいけないと、本能が告げる。


「どこへ行く」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ